文部科学省の松本洋平大臣と財務省の片山さつき大臣は2025年12月24日、2026年度(令和8年度)予算案について大臣折衝を行い、国立大学の運営費交付金を188億円増の1兆971億円とすることで合意した。2004年度(平成16年度)以降、実質的に過去最大の増額となる。
国立大学の基盤を支える国立大学法人運営費交付金については、物価上昇などが継続する中でも、各大学が基礎研究の充実、文理融合、学長による経営改革、自己収入確保策の強化を図ることができるよう、前年度から188億円を増額することで、片山大臣と合意した。
文部科学省によると、国立大学法人運営費交付金の188億円の増額は、東日本大震災の影響で増額した2014年度(平成26年度)当初予算を除くと、過去最大になるという。
松本大臣は12月24日の会見で、「今回の増額は極めて大きな意味をもつものと考えている」と発言。「あわせて今後見込まれる大学進学者数の減少に対応し、高等教育機関全体の規模の適正化を図るため、国立大学の定員見直しや私立大学の再編・統合などに向けた取組みを進めることについても確認した」と述べ、大学教育の質を高めていくため、大学側と連携して取り組んでいく考えをあらためて表明した。
これまで長く横ばいが続き、財政審からも厳しい指摘があった運営費交付金が、当初予算の中で188億円増額に転じることができたことについては「大学が将来に向けて強い見通しをもって運営、改革を進める礎になっていくという意味合いは非常に大きい」と語った。
このほか、12月24日の大臣折衝では、重要無形文化財保存特別助成金について、食文化を含む「生活文化」の分野におけるいわゆる「人間国宝」の認定に向けて、2026年度交付分として10名分の予算を追加で措置することについても合意している。








