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部活動の地域移行、休日の推進計画を策定…青森県

 青森県教育委員会は2023年4月7日、「青森県公立中学校における休日の部活動の地域移行推進計画」を策定した。少子化を背景に部活動数や加入生徒数の減少が進む現状とともに、地域移行の必要性を示し、休日の部活動の地域移行に向けた今後の取組み等をまとめている。

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青森県 公立学校の休日の部活動の地域移行に向けたスケジュール
  • 青森県 公立学校の休日の部活動の地域移行に向けたスケジュール
  • 想定される課題と対応策
  • 1校あたりの運動部活動の設置数
  • 競技ごとの運動部活動設置数
  • 競技ごとの運動部活動への加入数
  • 運動部の合同部活動数の推移
  • 文化部員数の推移
  • 吹奏楽部における部員数の推移

 青森県教育委員会は2023年4月7日、「青森県公立中学校における休日の部活動の地域移行推進計画」を策定した。少子化を背景に公立中学校の部活動数や加入生徒数の減少が進む現状とともに、地域移行の必要性を示し、休日の部活動の地域移行に向けた今後の取組み等をまとめている。

 公立中学校の部活動をめぐっては、スポーツ庁と文化庁が2022年12月に「学校部活動および新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」を策定。これを受けて青森県は、県内公立中学校における休日の部活動の地域移行に向けて、教職員や生徒、保護者、地域の理解のもと、全市町村が足並みそろえて取り組んでいけるようにするため、推進計画を取りまとめた。

 部活動の地域移行については、すべての市町村で検討し、2025年度末までには部活動ごとの課題と必要な対策を整理したうえで、可能な部活動から地域移行を開始する。地域移行の実施が困難な部活動は、当面の対応として合同部活動等の地域連携の取組みを検討したうえで、引き続き地域移行に向けた課題の解消方策について検討する。

 2023年度から2025年度の期間、青森県では「地域クラブ活動推進に関する市町村担当者協議会」を開催し、国の動向や他県の先進事例等の情報共有を図り、各市町村の取組みを支援。地域クラブが指導者を確保するための人材バンクを設置する。

 青森県教育委員会では、国の委託事業を活用して2021年度から、休日の部活動の地域移行に向けて県立三本木高等学校附属中学校をモデル校に実践研究を実施。同校では、2023年度から2025年度の期間も実践研究に取り組み、可能な部活動から休日の部活動を地域クラブに移行する。

 推進計画では、地域移行に向けて想定される課題と対応策についてもまとめている。たとえば、保護者の会費等負担の増加に対しては「学校を練習会場として使用できるようにする」「学校の部活動と用具を併用する」「公共施設を利用する場合の減免措置の弾力的運用等について検討する」を対応策にあげている。

 推進計画によると、青森県でも少子化が進んでおり、運動部活動、文化部活動ともに加入する生徒は減り続けている。2022年度現在、運動部活動の1校あたりの設置数は男子4.9部、女子4.4部。2017年度と比較すると、男子が7.5%減、女子が6.4%減。団体競技では、単独校で大会に出場することが困難な部活動が増えているという。

《奥山直美》

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