6~15歳の子供が新型コロナウイルスに感染した場所は、「学校等」が増加傾向にあることが2021年9月16日、厚生労働省の調査結果からわかった。9月に「学校等」で感染した割合は、6~12歳が10.9%(前月比4.3ポイント増)、13~15歳で16.8%(同2.9ポイント増)であった。 医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な事項について、厚生労働省に対し必要な助言等を行う「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」の第52回会合が9月16日に開かれ、厚生労働省が3~18歳の感染場所について調査データを公表した。 なお、調査は2021年8月1日~9月13日までの発生届ベースのHER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム)データを集計したもの。新型コロナウイルス感染陽性者のうちデータ入力のあるものは約21%で、このうち感染場所を特定できたのは約73%(全体の15%)。感染場所の入力率が非常に少ない点には留意が必要だという。 調査データによると、3~18歳の新型コロナウイルス感染陽性者数は、8月が8万1,823人、9月1日~13日が2万936人。8月と9月は、全年齢で自宅での感染の割合が多く、感染場所を特定できた患者全体の7割以上を占めていた。 9月に「学校等」で感染した割合は、6~12歳が10.9%、13~15歳が16.8%、16~18歳が21.4%と、年齢が上がるほど増加。8月と比較すると、16~18歳で2.5ポイント減少した一方、6~12歳では4.3ポイント、13~15歳では2.9ポイント上昇した。また、3~5歳では保育所等の「福祉施設(児童)」での感染が増えており、9月は前月比3.8ポイント増の13.6%であった。 2学期が始まる中で、学校等でのクラスターの発生も懸念されている。同一の場所で2人以上の陽性者が出たと報道された事案の件数のうち、学校等で発生した事案を分析した結果では、直近の9月6日~12日に小学校での発生が急増していた。保育所等の児童施設における集団感染件数・割合は、7月から8月にかけて増えたが、8月から9月にかけて大きな変化はなかった。 厚生労働省では「2学期が始まって間もない解析のため、引き続き感染動向を注視していく必要がある」と指摘している。