少子化やグローバル化、社会のデジタルシフトが加速する中、大学には教育の質向上と経営効率化の両立が求められている。ICTを活用した学習環境の進化とデータに基づく教学改革は、学生の学びを変革し、大学の未来を左右する重要な潮流となっている。
明治大学は、2017年に「情報化戦略協議会」を立ち上げて以来、全学をあげてデジタルトランスフォーメーション(DX)を精力的に推進してきた。情報資産の利活用と、業務とITの連動改革を軸に、教育・研究・法人運営の高度化を目指す取組みである。
同大学の情報メディア部 システム企画事務室の筧直之氏、中村達氏、情報メディア部 メディア支援事務室の竹花和也氏、教学企画部 教学企画事務室の那須みなみ氏、関根恭太郎氏に話を聞いた。
DX推進の経緯とビジョン
明治大学のDX推進における転機は、2017年の「情報化戦略協議会」設置である。同協議会は、それまで教育の情報化推進本部や情報基盤本部などで個別に進められていた取組みを統合し、全学的な視点で情報化戦略を策定・推進する場として機能している。これを基盤として、2019年には大学全体の「情報化戦略」を策定。ITが将来果たすべき将来像を「情報化ビジョン」として示し、その実現に向けた施策とロードマップを具体的に描いた。














