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国内eラーニング市場規模、前年度比7.7%増の2,354億円

 矢野経済研究所は2020年4月27日、国内eラーニング市場に関する調査結果を発表した。2019年度の国内eラーニング市場規模は、前年度(2018年度)比7.7%増の2,354億円の見込み。BtoB市場、BtoC市場とも、市場拡大を継続させる見込みだという。

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 矢野経済研究所は2020年4月27日、国内eラーニング市場に関する調査結果を発表した。2019年度の国内eラーニング市場規模は、前年度(2018年度)比7.7%増の2,354億円の見込み。BtoB市場、BtoC市場とも、市場拡大を継続させる見込みだという。

 国内eラーニング市場に関する調査は、eラーニングシステム開発・構築・販売事業者、eラーニングコンテンツ開発・製作・販売事業者、eラーニングを介した研修や講義を提供・運営する事業者(学習塾、語学学校、研修事業者など)、 学習ソフトウェア開発・製作・販売事業者などが対象。面談取材、電話・FAX・メールによるヒアリング、文献調査を併用して実施した。調査時期は2020年1月~3月。

 調査におけるeラーニング市場とは、インターネットなどのネットワークを利用した学習形態を指しており、ゲーム機やパソコン向けソフトウェアを利用したものは除く。学習コンテンツとしては、ビジネス、教科学習、語学、IT技術、資格取得、教養・雑学など幅広いジャンルを含んでいる。

 2019年度の国内eラーニング市場規模は、前年度(2018年度)比7.7%増の2,354億円の見込み。内訳は、法人向け(企業・団体内個人を含む)のBtoB市場規模が前年度比5.2%増の684億円、個人向けのBtoC市場規模が前年度比8.8%増の1,670億円。両市場とも拡大を継続させる見込みとなった。

 BtoB市場は、企業の人材育成に対する投資の活性化や、働き方改革関連法の施行による企業の業務効率化を追求する動き、学習形態のひとつとしてeラーニングが一般化する環境などもあり、当該領域におけるユーザー数は着実に増加したものとみられている。しかし、競合状況の激化などからLMS(学習管理システム)、学習コンテンツでは価格の下落傾向も一部でみられており、提供事業者側の課題も散見されるという。

 BtoC市場は、スマートフォンやタブレット端末、SNSを活用した学習スタイルの浸透、情報通信技術の向上による提供サービスの進化、AI(人工知能)を使った学習サービスの登場などにより、ユーザー数を着実に増加させ、個人の学習形態のひとつとしてeラーニングを一般化させる環境が進行している。学習コースの一部に動画による解説やオンラインによるコーチングを組み込むなど、学習理解を深めるためのツールとしてeラーニングを融合させる学習サービスは増加傾向にあり、サービスの多様化がますます進んでいくという。一方で、個人を対象とするeラーニングは、インターネット上にあふれる無償の学習サービスとの差別化をどう図るか、事業としての収益性をどこに求めるのかという課題もあげられる。

 2020年度の国内eラーニング市場規模は、前年度比4.5%増となる2,460億円と予測されている。BtoB市場規模は前年度比0.9%増の690億円、BtoC市場規模は前年度比6.0%増の1,770億円と予測。2020年度は、BtoB、BtoCともに新型コロナウイルス感染症の影響により、遠隔授業の需要が高まり、eラーニングのユーザー数を増加させると考えられている。

 ただし、BtoB市場では業績悪化の懸念から企業の人材育成投資費用の抑制が想定されることや、学習コンテンツの価格下落傾向などもあり、金額ベースの伸びはユーザー数の伸びには比例しないものとみられる。

 BtoC市場では、新型コロナウイルス感染症により社会生活の安定化の見通しがなかなかつかないため、不確実性の要素が多い状況にあるという。対面授業が行えない学習塾・予備校などでは、映像授業の配信や双方向性のあるWeb授業のサービス提供が活発化するとみられることから、eラーニングによる学習への影響は比較的軽微なものになると考えられている。
《外岡紘代》

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