社会教育施設と呼ばれる図書館・博物館・生涯学習センターの施設数および指導系職員数の数が過去最多となり、利用者が増えていることが2025年7月30日、文部科学省の2024年度(令和6年度)社会教育調査の中間報告でわかった。
社会教育調査は、社会教育行政に必要な社会教育に関する基礎的事項を明らかにすることを目的に、おおむね3年ごとに実施。都道府県・市町村、公民館、図書館、博物館、青少年教育施設、女性教育施設、体育施設、劇場・音楽堂等、生涯学習センターを対象に調査し、施設数や職員数などの現状を把握している。2026年度調査は施設数や職員数などの現状把握を2024年10月1日現在、事業実施状況および利用状況等についてを2023年度間で調査。確定値の公表は、2026年3月の予定となる。
中間報告によると、施設数は、公民館や青少年教育施設、社会体育施設等で減少傾向にあるものの、前回(2021年度)調査から図書館、博物館、生涯学習センターは増加、過去最多となった。なお、生涯学習センターは、条例または要綱に規定する施設の目的または、事業内容に「生涯学習」を含む施設をカウントしている。
民間団体らに公立の施設の管理を包括的に代行させる「指定管理者制度」を導入する施設の割合は約3割。女性教育施設および生涯学習センターを除く全施設種で、前回調査と比較して増加した。また、指導系職員の数は、公民館を除く、図書館の司書、博物館・博物館類似施設の学芸員のほか、社会体育施設、劇場・音楽堂等、生涯学習センターで総数が増加し、過去最多を更新した。
2023年度間における社会教育施設の1施設あたり利用者数は、前回調査(2021年度間)と比較して全施設種で増加。特に博物館の利用者数が増え、前回調査5万2,611人のほぼ倍となる10万3,994人へ急増した。学級・講座および諸集会の実施数も社会体育施設を除く全施設種で増加。図書館では読書会・研究会、鑑賞会・映写会など、博物館では、講演会や研究会など多彩な催しが行われていることがわかった。
図書館の国民1人あたり貸出冊数は4.8冊、貸出回数は1.3回。前回調査よりやや上昇したものの、過去6回の調査から貸出冊数は平均4~5冊、貸出冊数は1.1~1.5回であり、目立った変化はなかったといえる。