明日香が運営する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」は2025年5月9日、「保育の現場におけるSDGsへの取組み」に関する定点調査の結果を発表した。SDGsに取り組む保育園が約8割に達し、2022年から19.3ポイント増加したことが明らかになった。
「保育の現場におけるSDGsへの取組み」に関する定点調査は、2025年3月25日から26日にかけて、IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査で実施。SDGsを知っている現役保育士104名から回答を得た。
調査によると、SDGsに取り組んでいる保育園では、地域貢献や環境保全などの活動が行われており、具体的には「持続可能な成長目標を掲げての実施」や「ジェンダー平等の推進」などがあげられた。また、リサイクル素材を使った工作や自然に触れる活動、廃材を利用した製作活動なども行われている。
さらに、SDGsに関して学ぶ機会を提供している保育園は約7割にのぼり、2022年から9.6ポイント増加した。現役保育士の84.5%が「保育の現場でSDGs目標に取り組みたい」と回答し、特に「人々に保健と福祉を」や「質の高い教育をみんなに」といった項目が上位にあげられた。
また、約9割の保育士が「保育園で環境問題や地域貢献など社会的な取組みを行うべき」と感じており、2022年から5.4ポイント増加した。理由としては、「未来を担う子供たちが小さいときからSDGsの考えに触れることが大切」といった意見が多く寄せられた。
一方で、勤務先の保育園に「SDGsの取組みを情報発信してほしい」との声は84.8%にのぼり、2022年から6.9ポイント減少したものの、依然として高い割合を示している。保育士たちは、SDGsに関する取組みを外部に発信することで、地域社会との連携を深めたいと考えている。
子ねくとラボでは、今回の調査結果から、「保育の現場でSDGsへの取組みが着実に浸透し、保育士の意識も大幅に高まっていることがわかる。幼少期から環境への配慮や社会の課題を知ることは、子供たちがものごとを自分事として捉え、自ら課題を乗り越えようとする姿勢を育むことができる点で、効果的な取組みである。保育園がSDGsを積極的に推進することは、子供たちに持続可能な社会の大切さを伝えるだけでなく、保育施設自体の魅力や価値を高め、保育士の働きがい向上にも寄与する。保育現場からSDGsの取組みを発信し、地域社会と連携することで、子供を中心とした持続可能な未来への架け橋となることが期待される」と分析している。