2025年度(令和7年度)に予定されている1歳児クラスの保育士配置基準見直しについて、現役保育士の63.0%(非常に期待している・やや期待しているの合計)が期待を寄せていると、明日香が実施した調査で明らかになった。一方で、約半数(非常にそう思う・ややそう思うの合計)が、配置基準を見直しても保育の質が向上しないと答えている。
「保育士配置基準見直しと保育の質向上に関する定点調査」は2025年2月18日から20日にかけて、明日香が運営する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」にて実施。108名の現役保育士・保育教諭が回答した。
調査によると、配置基準見直しに対する期待として、具体的に「保育士の精神的・身体的負担の軽減」(73.5%)や「子供ひとりひとりに目が行き届く」(63.2%)があげられた。また、業務改善については「より安全を確保できる」が70.6%で最多となり、2024年から29.2ポイント増加した。
一方で、約半数が1歳児クラスの配置基準を見直しても「保育の質が向上しない」と感じており、その理由として「保育士の確保自体が難しいから」が57.7%ともっとも多かった。
国や自治体に求めたい支援策としては、第1位が「保育士の処遇改善」(73.1%)、第2位が「人材確保への支援」(45.4%)という結果が出ている。これらの結果から、保育士の多くが配置基準の見直しに期待を寄せる一方で、それだけでは保育の質が向上しないと感じている実態が浮き彫りになった。
今回の調査では、処遇改善や人材確保など、包括的な支援を求める声が寄せられた。保育士の確保が難しい現状で、配置基準見直しの実効性を高めるためには、処遇改善や業務効率化といった施策をあわせて進めることが不可欠であることが示唆されている。