開発教育協会(DEAR)は2025年7月22日、開発教育の実践や研究に取り組む若手・中堅の人材を支援するため「開発教育研究者育成奨学金(給付型)」を創設したと発表した。国内外の大学院に進学予定の個人を対象に、学費相当額を上限として給付する。
この奨学金は、開発教育分野の調査研究を担う研究者を育成し、日本における教育実践や学術の発展、そして地域や現場への普及・推進に貢献することを目的としている。
対象者は開発教育分野での実践・研究経験を有し、大学院進学予定の若手・中堅(おおむね45歳以下)。給付額は大学院在学中の学費(入学金・授業料等)を全額上限に給付。給付人数は年度あたり若干名。募集期間は2025年3月末まで随時募集し、定員に達し次第締切となる。重視する条件は、会員歴、研究計画の明確さ、地域での実践意志など。募集の詳細は2025年度の募集要項で確認できる。
開発教育とは、社会の課題を学び、考え、他者と協働しながら、より良い社会づくりに参画していく力を育む教育のこと。SDGsや人権、多文化共生、貧困・気候変動など、地球規模の課題と向き合う学びとして、学校現場や地域社会での実践が進んでいる。一方で、開発教育に関心をもち、研究を志す若手人材に対する制度的・経済的な支援は乏しく、志半ばで進学や研究を断念せざるを得ないケースも少なくない。DEARは、こうした課題に応えるべく、この奨学金制度を創設。研究の道を志す人たちを長期的に支援し、実践と研究の両輪を強化していくとしている。