日本スポーツ振興センター(JSC)と東京科学大学は2025年7月17日、スポーツの推進や理工学・医歯学の発展等を目的に包括連携協定を締結した。今後は、先進的なスポーツ医・科学研究活動の推進、医療機能の連携・協力、相互が有する知識・情報の交流と施設・設備の活用を促進する。
JSCは「スポーツ基本法」の理念に基づき、わが国のスポーツ推進の中心的な役割を果たす独立行政法人。東京科学大学の前身である、東京医科歯科大学と包括連携協定を締結し、医療機能を中心として、連携した取組みを進めてきた。
東京科学大学(Science Tokyo)は、東京医科歯科大学と東京工業大学が統合して2024年10月に誕生した国立大学。「『科学の進歩』と『人々の幸せ』とを探求し、社会とともに新たな価値を創造する」をMissionに掲げている。
今回、それぞれの特色を生かして、スポーツの推進および理工学・医歯学の発展、それらを通じた人材の育成等を行い、社会貢献を果たすことを目的として、包括連携協定を締結した。協定調印式は、7月17日に国立競技場で行われ、JSC理事長の芦立訓氏と東京科学大学理事長の大竹尚登氏らが出席した。
協定により、JSCのハイパフォーマンススポーツセンター(HPSC)と東京科学大学は、先進的なスポーツ医・科学研究活動の推進、医療機能の連携・協力、相互が有する知識・情報の交流と施設・設備の活用を促進する。具体的には、JSCが設置する国立スポーツ科学センター(JISS)を中心としたHPSCと東京科学大学の研究交流や、人材育成・人事交流等の推進により、理工学・医歯学等の領域を中心とした研究やそれに基づくアスリート支援、理工学・医歯学等の発展を目指す。
JSC理事長の芦立訓氏は、「AIをはじめとした最先端技術を活用したスポーツ理工学・医歯学分野の研究・支援や、研究機能の強化支援につながるリサーチアドミニストレーション機能に関しても連携を深めることで、HPSCのさらなる機能強化および持続可能な国際競技力の向上につなげてまいります。さらには、東京科学大学の卓越したさまざまな知見・資源との融合を図り、ハイパフォーマンススポーツの分野で得られた知見を、国民のライフパフォーマンスの向上につなげる取組みも、ともに進めていければ」と述べた。
東京科学大学理事長の大竹尚登氏は、「今回の連携を通じて、研究者や学生たちが、スポーツというフィールドで一層活躍する機会を得られることも、大きな喜びです。Science Tokyoは、日本スポーツ振興センターとともに、スポーツと科学の未来を切り拓くこの取組みを、わが国の競技力向上、さらには社会全体の幸福や健康にもつなげてまいります」と述べた。