あべ俊子文部科学大臣は、2025年4月15日に記者会見を行った。大阪大学量子情報・量子生命研究センターの視察や大阪・関西万博の開会式出席について報告したほか、4月14日から開始となった全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の円滑な実施に向け万全を期すと述べた。
大阪大学では量子コンピュータの稼働状況を見学し、研究成果がベンチャー設立につながった点や人材育成について意見交換を行った。大阪・関西万博では、大屋根リングなどを見学。科学技術分野の先端技術や成果、文化芸術の魅力を内外に発信する貴重な機会として、関係省庁と協力しながら万博の成功に向けた取組みを進めると述べた。
また、全国学力・学習状況調査が4月14日に開始され、2025年度は中学校理科で初めてCBTが導入された。CBTの導入により、動画の利用など多様な出題が可能となり、長期欠席の生徒も自宅などで調査に参加できるようになった。あべ大臣は、調査が円滑に実施されるよう万全を期すと語った。
奈良市の帝塚山学園でサッカー部の練習中に落雷事故が発生し、6人が緊急搬送されたことを受け、文部科学省は天候の急変時には直ちに活動を中止するよう各教育委員会に通知を出した。2024年4月にも宮崎市で同様の事故が発生しており、事故防止の徹底をあらためて求めた。
特別支援教育に従事する教員の調整額が段階的に引き下げられることについては、給与全体の見直しの一環であり、財源捻出を目的としたものではないと説明。特別支援学校や特別支援学級に関わる教師に支給されるものであるが、近年通常の学級にも特別支援教育の対象となる児童生徒が増加するなどすべての教師が特別支援教育に関わることが必要となっている背景を踏まえ、中央教育審議会答申でも見直しの必要性が提言されたとした。引き下げは2026年度から2年かけて行われ、教職調整額の引き上げとあわせて給与水準は上がると述べた。
特異な才能のある児童生徒への支援についての質問に対しては、特別の学校を作ることは想定していないが、特別の教育課程の枠組みが多様な才能を開花させる制度になるよう、中央教育審議会で検討を続けるとした。