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【大学受験2026】文科省「実施要項」公表…年内学力入試は条件付き容認

 文部科学省は2025年6月3日、2026年度(令和8年度)大学入学者選抜実施要項と2027年度(令和9年度)大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱を公表した。2月以前に行う個別学力検査については、小論文や面接など、異なる評価方法を組み合わせて実施可能とした。

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 文部科学省は2025年6月3日、2026年度(令和8年度)大学入学者選抜実施要項と2027年度(令和9年度)大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱を公表した。2月以前に行う個別学力検査については、小論文や面接など、異なる評価方法を組み合わせて実施可能とした。

 2026年度大学入学者選抜実施要項と2027年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱は、国公私立大学と高校関係団体の代表者らで構成する大学入学者選抜協議会の合意を経て、6月3日付で都道府県教育委員会や国公私立大学、大学入試センターなどに通知した。

 このうち、2026年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜や学校推薦型選抜において教科・科目に係る個別テスト(学力検査)を実施する場合の取扱いを追記。試験期日は従来通り「2月1日から3月25日までの間」としたが、2月1日以前に学力検査を実施する場合は、調査書などの出願書類に加え、小論文・面接・実技検査・エッセイ・口頭試問・ディベート・集団討論・プレゼンテーション、活動報告書・大学入学希望理由書・学修計画書など志願者本人が記載する資料や高校に記載を求める資料などを活用した評価方法と「必ず組み合わせて丁寧に評価しなければならない」とした。

 2025年度(令和7年度)入試では、一部の大学が2月1日以前に総合型選抜や学校推薦型選抜の個別学力検査を行っていることが問題視されたが、大学入学者選抜協議会での協議の結果、条件付きで認めた形となった。2026年度大学入学者選抜実施要項では、高校教育への影響や入学志願者の負担にも十分配慮するよう求めている。

 さらに小論文・面接・実技検査などについては、「異なる評価方法」として規定している趣旨を踏まえ、教科・科目の知識などを問う問題の形式にならないよう留意しなければならないとした。

 学校推薦型選抜については、入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく、特定の大学・学部などで教育を受けるのにふさわしい能力・意欲・適性などを有すると高校長が判断するものであることから、推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項などに示さなければならないと明記。参考様式として、推薦書のイメージ例も示している。

 試験期日は、大学入学共通テストの本試験が2026年1月17日と18日、追試験が1月24日と25日。総合型選抜は、入学願書受付が2025年9月1日以降、判定結果は11月1日以降に発表。学校推薦型選抜は、入学願書受付が11月1日以降、判定結果は12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前までに発表する。ただし、学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は、前日までのなるべく早い期日の発表とする。

 個別学力検査の実施教科・科目、評価方法などは、6月3日から7月31日までに発表する。発表後は大規模な災害などで入学者選抜が実施できない場合を除き、受験者に不利益を与える恐れのある変更は行わないものとする。

 一方、2027年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱では、2027年度大学入学共通テストの実施期日を2027年1月16日と17日に設定。実施方法、出願教科・科目の詳細、時間割、試験場、出願手続き、検定料、成績提供、経費などは、2026年6月30日までに公表するとしている。

《奥山直美》

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