国際エデュテイメント協会は2025年5月26日、高校生向けの探究教材「未来の翼プロジェクト」の参加学校募集を開始した。企業活動の事例をもとにした探究で社会への学びを深め、キャリアについて考えることを目的としている。第一弾の公募期間は6月30日までで、1万人の高校生に無償で探究教材を配布する。
文部科学省は2022年度より高校に新しい科目「総合的な探究の時間」を設置し、週に2時間の探究授業が行われている。しかし、教育現場では「生徒の主体性を引き出しにくい」「企業など学校外部との連携が困難」といった課題がある。カタリバによると、探究学習を推進している担当者の95%が「課題を感じている」と回答している。
これらの課題に対し、国際エデュテイメント協会は、教育×エンターテインメントを意味するエデュテイメント、そして産学連携の観点から、探究授業の目的に沿った効果的な探究活動を行うことができる教材を提供する「未来の翼プロジェクト」を発足した。私立・公立に関係なく質の高い教材が手に届くよう、無償での配布を行う。
「未来の翼プロジェクト」は、計4社の活動事例をもとにした記事を収録しており、各チャプターは「Chapter Question」と「考えてみよう」という2種類の問いによって構成される。横河電機未来共創イニシアチブ監修のワークシートを通し、教材の使用を経てキャリアパスを考える活動を行うことも可能である。
教材の収録チャプター数は4で、8時間から12時間分の授業に充当できる。協力企業には、横河電機、Edutainment-Lab、マザーハウス、コープさっぽろが名を連ねている。教材は無料で提供され、対象は高校1年生から3年生。
応募は、第一期が5月26日から6月30日まで、第二期が7月1日から7月31日までとなっている。応募方法は申込フォームを通じて行い、当選連絡は応募期間終了後、3営業日以内にメールで通知される。応募条件として、1校につき最大300冊まで、国内の学校限定で、公立私立を問わず高等学校(専門学校含む)が対象となる。
国際エデュテイメント協会の森俊介代表理事は「良い教育サービスを享受するにはどうしても金銭的な負担が必要となるが、どのようなスキームで良い教育サービスを求められるところに提供できるか、日々考えながらこれからを生きる若者がより輝ける場を作り続けたい。今回の取組みがそのきっかけになることを期待している」とコメントしている。