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大学入試の多面的評価、河合塾がセミナー動画公開

 河合塾は、大学教職員を対象としたセミナー「大学入試での多面的評価の実践」のアーカイブ動画を公開した。前・大阪大学スチューデント・ライフサイクルサポートセンター長の川嶋太津夫氏が、多面的・総合的評価の意義とDX化の可能性について講演した内容である。

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「大学入試での多面的評価の実践」アーカイブ動画(一部)
  • 「大学入試での多面的評価の実践」アーカイブ動画(一部)

 河合塾は、大学教職員を対象としたセミナー「大学入試での多面的評価の実践」のアーカイブ動画を公開した。前・大阪大学スチューデント・ライフサイクルサポートセンター長の川嶋太津夫氏が、多面的・総合的評価の意義とDX化の可能性について講演した内容である。

 少子化やグローバル化などの社会変化や文部科学省からの要請を背景に、大学入試は「教科学力」主体の評価から、「思考力・判断力・表現力」や「主体的に学習に取り組む態度」などを多面的・総合的に評価する方向に変革が進んでいる。しかし、多面的・総合的評価に必要な志望理由書や学修計画書といった膨大な資料の扱いが現場での課題として浮上している。

 この動画は、2025年4月に行われたオンラインセミナーをアーカイブしたもの。大阪大学でデータを基盤とした個別最適な教育および学習・学生支援に携わった川嶋氏が、多面的・総合的評価の意義と、同評価を導入する際の「DXを通じた作業効率化の可能性」、そして「データ化から開く新しい入試のあり方」について紹介している。

 セミナー当日は大学教職員を中心に約100大学から150名以上が参加し、多面的・総合的評価への関心の高さがうかがえた。参加者の満足度も9割を超え、高評価を得ている。これにともない、当日参加できなかった人々にも届けるため、動画を公開することとなった。

 公開された動画では、基調講演「未来志向の大学入試とは―多面的・総合的評価の果たす役割―」を川嶋氏が行い、さらに「J-Bridge System利用大学の事例紹介」として宮城大学教授・アドミッションセンター長の笠原紳氏が事例を紹介している。J-Bridge Systemは、河合塾が提供する多面的評価の実施を支援するシステムで、受験生からの志望理由書などの申請・提出や学内における選考までの一連の業務をWeb上で完結し、入試事務や評価業務の効率化を実現するものである。

 また、同時に「生成AIで作成された志望理由書はどう評価されるか?」というテーマのオンラインセミナーのアーカイブ動画も公開中である。こちらは九州工業大学高大接続センターアドミッションオフィス准教授の木村智志氏が、総合型・学校推薦型で重視される志望理由書など出願書類へのAI利用について、その現状やAIが作成した書類の評価、課題などを解説している。

 アーカイブ動画は、「Kei-net Plus」のWebサイトから視聴できる。

◆「第7回大学入学者選抜改革セミナー」アーカイブ動画公開
視聴方法:Webサイト「Kei-net Plus」より
対象:大学入試の企画・業務に携わる人、関心をもつ高校・大学の教職員
料金:無料

《風巻塔子》

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