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【大学受験2027】九州大、工学部に「女子枠」新設

 九州大学は、2027年度入学者選抜から、女子学生の割合が著しく低い工学部の総合型選抜と学校推薦型選抜に「女子枠」を新設する。女子枠の定員は、総合型選抜が計9人、学校推薦型選抜が計10人。ジェンダーバランス改善や科学技術分野での女性活躍促進などに期待を寄せている。

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 九州大学は、2027年度(令和9年度)入学者選抜から、女子学生の割合が著しく低い工学部の総合型選抜と学校推薦型選抜に「女子枠」を新設する。女子枠の定員は、総合型選抜が計9人、学校推薦型選抜が計10人。ジェンダーバランス改善や科学技術分野での女性活躍促進などに期待を寄せている。

 九州大学の「女子枠」導入をめぐっては、全国の大学に先駆けて2012年度(平成24年度)入学者選抜から理学部数学科での実施を計画していたが、「法の下の平等の観点から問題がある」などの意見を受け、取り止めた経緯がある。

 今回、理工系学部の女性比率が世界有数の大学と比較して低い水準である現状を受け、多様性確保を目的とした取組みの一環として、2027年度入学者選抜より、工学部の特に女子比率が低い学科に「女子枠」を設けることを決めた。日本の大学で学ぶ女子の割合は、理学部27.8%、工学部15.8%であるのに対し、九州大学工学部の女子学生割合は約11%にとどまっている。

 具体的には、「材料工学科」と「融合基礎工学科」の総合型選抜、「機械工学科」と「量子物理工学科」の学校推薦型選抜に女子枠入試を導入する。女子枠の募集人員は、総合型選抜が材料工学科5人、融合基礎工学科は物質材料コース2人、機械電気コース2人の計9人。推薦型選抜は、機械工学科7人、量子物理工学科3人の計10人。

 九州大学では、大学入学共通テストを課す学校推薦型選抜を2027年度入学者選抜より、融合基礎工学科、機械工学科、量子物理工学科に導入する。融合基礎工学科は一般枠のみ、機械工学科と量子物理工学科は女子枠のみ。融合基礎工学科の一般枠の募集人員は、物質材料コース3人、機械電気コース3人。

 女子枠の導入について、九州大学は「ジェンダーバランスの改善によって、新たな価値観、多様な視点が加わることによる新たな発見や気付き、発想の多様性など教育研究現場におけるさまざまな相乗効果が見込まれる。将来の科学技術分野における女性の活躍促進につながることも期待される」と説明。今後の状況に応じて、女子枠入試制度を適宜見直す予定としている。

 概要は、2027年度以降の入学者選抜方法の変更(予告)として、九州大学Webサイトに掲載。選抜方法の詳細や求める人物像などは今後公表される予定。

《奥山直美》

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