文部科学省より、報告書「各都道府県における高等教育の現状に関する調査研究」が2025年5月に公開され、各地の大学進学率などが明らかとなった。2023年度の自県進学率は、最多が愛知県72.1%、最少が奈良県15.0%。東京は68.3%で2番目に多い。
この報告書は、各都道府県における高等教育の基礎データをまとめたもの。18歳人口、高校等卒業者数、大学・短大・専門学校進学率、大学数、入学定員、大学入学者数、自県進学率、県外から流入、県内から流出、県内高校卒者の大学進学先、県内大学入学者の出身高校所在地などを都道府県別で掲載している。
各県における大学進学者数(過年度卒業者数を含む)のうち、自県に所在する大学に進学した者の割合を表す「自県進学率(2023年度)」を高い順に順位付けしてみると、全国1位は「愛知県」の72.1%で、唯一7割を越えた。以降、2位「東京都」68.3%、3位「北海道」65.6%、4位「福岡県」65.2%、5位「大阪府」59.7%。このほか、京都府、広島県、宮城県も自県進学者が5割を超えている。
一方、自県進学率の低い順にみると、「奈良県」15.0%、「鳥取県」15.1%、「佐賀県」15.4%、「香川県」17.4%、「長野県」18.8%、「茨城県」18.9%、「和歌山県」19.3%、「富山県」19.7%、「島根県」19.9%と、9県で2割を下回った。
もっとも自県進学率が高い愛知県には県内に53の大学があり、大学入学者数は3万9,130人、大学進学率は56.1%(うち72.1%が自県で進学)。もっとも低い奈良県は、県内の大学数が10校、大学入学者数は7,739人で大学進学率は62.6%(うち15.0%が自県で進学)。大学進学率で比較すると愛知県よりも奈良県の方が高く、自県進学率には大学数も少なからず影響していると推察できる。
報告書「各都道府県における高等教育の現状に関する調査研究」は、文部科学省のWebサイトで全文を公開している。