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新任校長ハイブリッド研修、98%以上が満足…成果報告公表

 文部科学省は2025年5月27日、2024年度(令和6年度)の新任校長研修事業「新任校長オンライン集合ハイブリッド研修」の成果報告を公表した。参加した新任校長らから9割を超える高い満足度が得られた。

教育行政 文部科学省
実践プログラム研修 新任校長のアンケート結果
  • 実践プログラム研修 新任校長のアンケート結果
  • 実践プログラム研修 教育委員会のアンケート結果
  • 研修オンライン総括 視聴者のアンケート結果

 文部科学省は2025年5月27日、2024年度(令和6年度)の新任校長研修事業「新任校長オンライン集合ハイブリッド研修」の成果報告を公表した。事業3年目の総まとめにあたる2024年度は、実践研修やオンライン総括などを実施。参加した新任校長らから9割を超える高い満足度が得られた。

 「新任校長オンライン集合ハイブリッド研修」は、新たに校長職に着任する教員を対象に、集合型研修とオンライン型研修を通して、新任校長のマネジメント能力の一層の向上を図ることを目的とした事業。「教職員が幸せに働ける組織づくり~ウェルビーイング」をテーマに、2022年度から3年間にわたり、講習動画の配信やオンラインフォーラムなどの「リモート研修」と、対面型の研修を効果的に組み合わせて実施する「実践プログラム」などを実施。教育を巡るさまざまな変化に対応するために必要なマネジメント能力の向上と、組織づくりに効果的な手法を学ぶ機会を支援してきた。

 今回、事業最終年度となる2024年度の成果報告書を公開。2024年度の具体的な取組み内容や、参加校長・教育委員会職員らのアンケート結果、事業を通して見えた成果と課題などについて詳細にまとめている。2024年度は、オンデマンドによる「講習会」動画配信と、対面およびオンラインを活用した「実践プログラム研修」、前年までの「オンラインフォーラム」あらため、3年間を締めくくる「研修オンライン総括」などがおもなプログラムとして実践された。

 参加対象者による効果測定アンケートによると、「講習会」動画は98.7%が「研修の全体概要が理解できた」と回答。全3回行われた「実践プログラム研修」については、各回の研修内容がまったく異なるため若干の違いはあるものの、98%以上が「満足した」「やや満足した」と回答した。

 特に、学校意識調査(サーベイ)を実施し、その集計データをもとにした対話や課題改善のための対策を具体的に考え、実践する組織づくりの手法「サーベイ・フィードバック」については、ほぼすべての参加者が、今後自校で活用していくイメージがつかめたと回答。学校の教職員が幸せに働ける組織づくりを推進するうえで、効果の見込める研修内容であったと回答した。

 「研修オンライン総括」については、「非常に満足」が44.6%、「満足」が54.6%と、満足度99.2%の高い水準となった。研修自体に興味を抱いたポイントとしては、「手法(サーベイ・フィードバック)」が63.3%ともっとも多く、ついで、「テーマ(教職員が幸せに働ける組織づくり)」29.3%となり、結果、高い満足度であったことから、事業のねらいは新任校長らに届いたといえると振り返っている。

 今後の課題として、事業で行った実践プログラムの各教育委員会における自立実施が求められる。そこで、2025年度以降も各教育委員会において活用・参考としてもらうべく、「実践型研修プログラム実施マニュアル」を制作、Webサイトで公開している。文部科学省のWebサイトでは、マニュアルや成果報告書のほか、2024年度に実施した講習動画、研修オンライン総括の動画も公開。必要性に沿って有効に活用し、効果的な研修の実現に役立ててほしいとしている。

《畑山望》

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