2024年度(令和6年度)から始まった副校長・教頭マネジメント支援員制度について、配置をしている学校は全国公立小中学校のわずか4.5%であることが、全国公立学校教頭会の調査結果から明らかになった。先行して実施している東京都での配置率が高く、東京を除く道府県の配置率は2%程度となっている。
全国公立学校教頭会調査は、副校長・教頭のおかれている現状を的確に把握し、教育現場の課題解決などに役立てることを目的に実施。今回は、「教員不足問題の現状」「副校長・教頭マネジメント支援員」「GIGAスクール構想への対応」の3点を緊急課題として取り上げ、調査を行った。対象は全国公立学校教頭会の全会員。2024年6月から7月にかけて実施し、回答率は79.53%(2万1,794人)。
本記事では、2点目の「副校長・教頭マネジメント支援員」について取り上げる。副校長・教頭マネジメント支援員は、2024年度から始まった制度で、学校長の指示のもと校内マネジメント業務を補助する役割を担う職員。副校長・教頭が担当する業務の一部を支援することで、教員の長時間勤務の改善に寄与することを目的としている。文部科学省は2024年度予算で、全国に1,000人の配置を目指し5億円の予算を確保。2025年度の概算要求ではさらに規模を拡大し、3,000人配置のため16億円を求めている。
調査時点で、副校長・教頭マネジメント支援員が配置されているのは全国988校、全体に対する割合は4.5%となった。2017年度より先行して配置に取り組んでいる東京都では、536校に配置済み。東京都の数値を除いて計算すると、ほかの道府県の配置率は2%程度と、取組みはまだまだこれからという状況にある。配置に必要な予算の3分の2は自治体の負担となるため、配置拡大には国の予算だけでなく各自治体の理解が不可欠となる。
実際に副校長・教頭マネジメント支援員を務めている人材については、半数近い47.2%が民間や行政の元事務職といった元学校関係者以外となっており、一定数、学校現場未経験の人材も含まれている。ついで、元校長29.7%、元教頭・副校長15.4%、元教諭・講師6.7%、元教務主任1.0%。今後、さらなる配置拡大に向けては、学校現場未経験の支援員にどのような仕事を担ってもらうか、副校長・教頭との相互関係をどのように構築していくかが大切になってくると分析している。
調査結果は、全国公立学校教頭会のWebサイトに掲載されている。残る2つの緊急課題「教員不足問題の現状」「GIGAスクール構想への対応」については別記事にて紹介する。