文部科学省は2024年12月26日、生成AIの学校現場での利活用に関するガイドラインを改訂し、「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン（Ver.2.0）」として公表した。今回の改訂は、生成AIの急速な普及と技術の進展を受け、教育現場での適切な活用を促進するための指針を示すものである。
生成AIは、近年急速に進化し、社会に広く普及している。教育分野においても、その利便性を生かした活用が期待される一方で、倫理的・社会的な論点や技術的な課題も指摘されている。生成AIの技術革新やAIに関するルールづくりの進展などを踏まえ、文部科学省は「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議」を設置し、2024年7月より生成AIの利活用の在り方を検討してきた。同会議での議論を経て、2023年7月に公表した暫定的なガイドラインを基に、生成AIの概要、基本的な考え方を示したうえで、学校現場において押さえておくべきポイントとして、今回、ガイドラインの改訂を行ったという。
今回のガイドラインは、生成AIの利活用を一律に禁止するものではなく、学校現場での適切な活用を促すための参考資料として位置付けられている。具体的には、生成AIの概要や基本的な考え方を示し、学校現場での利活用における留意点を整理している。また、生成AIの利活用が進む中で、児童生徒の学びにおいては、教育活動の目的を達成する観点から効果的であるかを吟味した上での活用が求められる。
さらに、教師の役割も重要であり、生成AIの仕組みや特徴を理解し、AIリテラシーを身に付けることが求められる。教師自身が新たな技術に慣れ親しみ、教育活動で適切に利活用するための素地を作ることが重要であるとしている。
生成AIの普及に伴い、情報活用能力の育成も強化されるべきである。学習指導要領では、情報活用能力を学習の基盤となる資質・能力として位置付けており、情報技術を学習や日常生活に活用できるようにすることの重要性が強調されている。
文部科学省は、生成AIの利活用に関するガイドラインを通じて、学校現場での適切な活用を促進し、児童生徒の資質・能力の育成を支援することを目指している。今後も技術の進展や学校現場での取組等の状況を踏まえ、必要に応じて改訂を行うことが想定されている。
