文部科学省の松本洋平大臣は2026年3月6日の会見で、国立博物館や国立美術館などを運営する国立文化施設の独立行政法人3法人の中期目標について、展示事業における自己収入比率の数値目標を設定した意図や、「再編」の意味、外国人観光客へのいわゆる「二重価格」導入の検討などについて説明した。
文化庁は2026年2月、国立文化施設を運営する独立行政法人に対して新たな中期目標を提示した。この中では、2029年度までに展示事業に関する自己収入比率を高める数値目標を設定し、展示事業の自己収入額が4割を下回る場合には「再編」を検討する可能性が示された。これについて松本文科相は、国立博物館や国立美術館の業務は「作品などの収集・保管」「教育普及」「調査研究」「展示」の4分野で構成されていると説明。収集・保管や教育普及、調査研究については今後も運営費交付金で支える方針は変わらないとしたうえで、展示事業については受益者負担の観点や工夫の余地が大きい分野であることから、自己収入比率の数値目標を設定したと述べた。
数値目標を設けた意図については、展示部門において来館者の関心を高める取組みやサービス向上を促すことで、より機動的で質の高い展示につなげる「好循環」を生み出すことを狙いとしていると説明した。また、数値のみを基準に機械的な判断を行うものではなく、各館の社会的役割や機能を踏まえながら運営改善を促す趣旨であると強調した。
あわせて議論となっている「再編」については、展示収入が一定割合を下回ることのみで直ちに対象となるものではないと説明。役割分担の見直しなどを通じて法人全体の機能強化を図ることが目的であり、「再編」が閉館を前提とするものではないとした。文化財の収集・保管や教育普及、調査研究など、国民が文化財に触れる機会を確保するという国立文化施設の基本的な役割は今後も維持されると述べた。
また、外国人観光客への「二重価格」導入の検討については、海外でも同様の仕組みが導入されている例があると説明。導入にあたっては課題を整理しつつ、各法人と意見交換を行いながら検討を進める考えを示した。外国人来館者に対しても良好な鑑賞環境や魅力的な展示を提供することで、日本の歴史や文化への理解を深めてもらう機会につなげたいとしている。
会見ではこのほか、再使用型ロケットの開発や、近日打ち上げが行われる予定のJAXAによる小型実験機「RV―X」の飛行試験などについて言及がなされた。







