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東京型不登校特例校「チャレンジクラス」24年度に中学10校に配置

 東京都は2024年2月15日、2024年度(令和6年度)不登校施策について公表した。不登校の児童生徒が増え続ける中、チャレンジクラス(東京型不登校特例校)の配置や、不登校対応巡回教員の配置など、新たな対策に取り組む。

教育行政 教育委員会
令和6年度不登校施策について
  • 令和6年度不登校施策について
  • チャレンジクラス(東京型不登校特例校:校内分教室)の設置【新規】
  • 不登校対応巡回教員の配置【新規】
  • 校内別室指導支援員の配置【拡充】
  • 令和5年度フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告(途中経過)
  • 令和5年度フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告(途中経過)

 東京都は2024年2月15日、2024年度(令和6年度)不登校施策について公表した。不登校の児童生徒が増え続ける中、チャレンジクラス(東京型不登校特例校)の配置や、不登校対応巡回教員の配置など、新たな対策に取り組む。

 東京都における不登校の児童生徒は約2万7千人にのぼり、10年連続で増加している。東京都教育委員会は、早急な対策が求められる不登校対応について、2024年度の施策を取りまとめて公表した。

 不登校施策は、「未然防止:すべての児童生徒への支援」「早期支援:休み始めた児童生徒への支援」「長期化対応:休みが長期化した児童生徒への支援」の3区分について特化した対応や横断的な対応をまとめている。未然防止、早期支援に向けては、小学校教科担任制の導入やエデュケーション・アシスタントの配置、校内別室指導支援員の配置の拡充などを実施。校内別室指導支援員は、特に小学校に力を入れ、2023・24年度の37校から、2024・25年度は119校へと約3倍配置を増やす予定。長期化対応では、不登校特例校の設置支援(本校型、校外分教室型)の拡充を進める。

 加えて、東京都独自の取組みとなる「チャレンジクラス(東京型不登校特例校)」を新たに設置する。文部科学省が主導となって設置を進めている「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)」は、現在全国に24校を設置。その内、都内公立は5校(本校型1校、分教室型4校)。東京都では、既存の学校施設を利用した校内分教室にすることで新規設置のハードルを下げた「チャレンジクラス」を2024年度に中学校10校に配置する計画を立てている。学級数は各学年1学級、計30学級。1校につき、概ね3~6人の教員を配置予定で、整備にかかる合計費用の半分を都が補助する。

 そのほか、特定の学校だけでなく地区内の学校を広くカバーし、全中学校の不登校対応力を向上することを目指した「不登校対応巡回教員の配置」や、区市町村への不登校対応支援事業をより充実させるための「スクールソーシャルワーカーの機能強化」にも、新規事業として取り組むとしている。

 また、2023年度フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告の途中経過についても同日に公表。フリースクール等に通う不登校児童生徒と保護者の支援ニーズや進路、フリースクール等での活動内容、調査協力金の支給による効果などについて調査している。フリースクールの1か月あたりの授業料平均支払額は4万3,004円。家計への負担感については、「負担」59.3%、「やや負担」30.2%と、9割近くが負担を感じている。

 フリースクールに通う世帯の平均年収は897.5万円と、全国の世帯の平均年収の545.7万円(令和4年国民生活基礎調査)より高い傾向がみられる。背景には、フリースクールに通わせたくても通わせることができない家庭があることも想定されるという。調査からは、子供ひとりひとりの興味・関心に応じた多様な活動の機会が望まれる一方、1施設あたりの運営人数の少なさやボランティアスタッフに頼った運営など、職員の確保が困難な側面もみられる。フリースクールでの学びを充実させるためには、支援にあたる人材の確保が求められる。

 今後、フリースクール等に通う不登校児童・生徒支援調査研究事業報告は、2022・23年度調査の全体結果を取りまとめ、2024年度中に公表する予定。

《畑山望》

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