東京都教育委員会は2024年2月15日、2023年度東京都統一体力テストの結果を公表した。コロナ禍により失われた体力は戻らず、2023年度も低下傾向が継続。2年連続で体力合計点が増加したのは中2男子のみだった。
東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査(東京都統一体力テスト)は2023年5月~6月、東京都内の公立学校(小学校、中学校、中等教育学校、高等学校、特別支援学校)計2,185校の児童・生徒93万8,167人を対象に実施。児童・生徒に対する体力・運動能力、生活・運動習慣等の実態、体力・運動能力等の向上に係る学校の取組みについて調査した。
体力合計点は、2021年度に小中高男女ともに割合が減少し、2023年度も全学年共にコロナ前の水準には程遠い。2022年度と比べると、女子は小学校6年生が横ばいとなった以外は全学年で低下。特に高校1年生・女子は1.0ポイント減と大きく低下した。一方、男子は小学3・4年生、中学2・3年生、高校2年生で増加、中でも中学2年生・男子は2年連続で増加がみられた。
児童・生徒の体格の調査で「肥満」の割合が増加したのは、女子が圧倒的に多く、小学4年生6.0%(2022年度比0.1ポイント増)、小学5年生6.4%(同0.1ポイント増)、中学1年生6.7%(同0.5ポイント増)、高校1年生4.5%(同0.4ポイント増)、高校3年生3.7%(同0.2ポイント増)でいずれも増加。男子は高校1年生以外の全学年で肥満の割合が低下した。
体育・保健体育の授業を除く運動習慣(小5・中2・高2を比較)をみると、「運動時間1週間あたり420分以上」と回答した割合は、2021年度に小中高男女共に減少後、中学2年男女は2022年度以降で増加。小5男女の割合は横ばいで、高校2年男女は2021年度より連続して減少した。
運動習慣の調査からは、運動実施時間が長くなるにつれ、体力総合評価が高い傾向にあることがわかった。さらに、睡眠時間も体力総合評価に影響があり、小学校では8時間以上の睡眠で上昇傾向にあった。対して、学習時間を除くスクリーンタイムの割合は、3時間以上になると体力総合評価が低下傾向になることが明らかとなった。