世界的な高等教育評価機関の英国クアクアレリ・シモンズ（Quacquarelli Symonds：QS）は2023年6月27日、世界大学ランキング2024を発表した。国内の大学は国際性の指標で苦戦。トップの東京大学は総合28位、京都大学は46位で、いずれも前年より順位を下げた。
QS世界大学ランキング（QS World University Rankings）は、2004年から毎年発表している世界の上位大学をランク付けするもの。記念すべき20周年となる2024年版では前年の1,418校から、104の国・地域の1,500校へと拡大し過去最大規模となった。評価方法も大きく見直し、「サステナビリティ」「雇用成果」「国際研究ネットワーク」という新たな3つの指標を導入。評価には1,750万件の学術論文の分析と、24万人を超える大学教員および雇用主の専門家の意見が反映されている。
QS世界大学ランキング2024では、「マサチューセッツ工科大学（MIT）」が12年連続でトップを維持。ついで2位「ケンブリッジ大学」、3位「オックスフォード大学」、4位「ハーバード大学」、5位「スタンフォード大学」。トップ5のうち、3校がアメリカの大学、2校がイギリスの大学となった。
アジアでは、「シンガポール国立大学」が8位と躍進。アジアの大学ではQS世界大学ランキング開始以来初となるトップ10入りを果たした。ついで、17位「北京大学」、25位「清華大学」、26位「シンガポール南洋理工大学（NTU シンガポール）」「香港大学」と続く。
日本は、TOP200の顔ぶれはほぼ変わらず9校がランキングしたものの、軒並み順位を下げた。国内の順位は、28位「東京大学」（前年23位）、46位「京都大学」（前年36位）、80位「大阪大学」（前年68位）、91位「東京工業大学」（前年55位）、113位「東北大学」（前年79位）、164位「九州大学」（前年135位）、176位「名古屋大学」（前年112位）、196位「北海道大学」（前年141位）、199位「早稲田大学」（前年205位）の順。唯一、ランクが上昇した「早稲田大学」は、雇用者の評価（24位）、雇用結果（87位）において国際的に高い評価を得ている。
QSは日本の大学について、「学術関係者からの評価」で5校、「企業からの評価」で8校、「教員1人あたりの学生比率」で7校が世界トップ100にランクインするなど高く評価されている一方で、「教員1人あたりの論文被引用数で示される研究インパクト」ではトップ100に1校のみと他国と大きく差がある。加えて「サステナビリティ」は東京大学以外はトップ100のランク外であると指摘。「全体的に高い評価を得ている一方で、国際性やサステナビリティの観点で改善の余地があることが読み取れる」との見解を示している。
◆QS世界大学ランキング2024 トップ10
1位「マサチューセッツ工科大学」アメリカ
2位「ケンブリッジ大学」イギリス
3位「オックスフォード大学」イギリス
4位「ハーバード大学」アメリカ
5位「スタンフォード大学」アメリカ
6位「インペリアル・カレッジ・ロンドン」イギリス
7位「チューリッヒ工科大学」スイス
8位「シンガポール国立大学（NUS）」シンガポール
9位「ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン（UCL）」イギリス
10位「カリフォルニア大学バークレー校（UCB）」アメリカ
◆QS世界大学ランキング2024 アジア地区の大学トップ10
※（ ）内は総合順位
1位（8位）「シンガポール国立大学（NUS）」シンガポール
2位（17位）「北京大学」中国
3位（25位）「清華大学」中国
4位（26位）「シンガポール南洋理工大学（NTU シンガポール）」シンガポール
4位（26位）「香港大学」香港
6位（28位）「東京大学」日本
7位（41位）「ソウル大学」韓国
8位（44位）「浙江大学」中国
9位（46位）「京都大学」日本
10位（47位）「香港中文大学（CUHK）」香港
◆QS世界大学ランキング2024 国内大学トップ10
※（ ）内は総合順位
1位（28位）「東京大学」
2位（46位）「京都大学」
3位（80位）「大阪大学」
4位（91位）「東京工業大学」
5位（113位）「東北大学」
6位（164位）「九州大学」
7位（176位）「名古屋大学」
8位（196位）「北海道大学」
9位（199位）「早稲田大学」
10位（214位）「慶應義塾大学」
(c) QS Quacquarelli Symonds 2004-2023
