教育業界ニュース

令和の学校教育を担う「新たな教師の学びの姿」中教審答申

 中央教育審議会は2022年12月19日の総会で、今後の改革の方向性をまとめた答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~『新たな教師の学びの姿』の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」を取りまとめた。

教育行政 文部科学省
答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~『新たな教師の学びの姿』の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」
  • 答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~『新たな教師の学びの姿』の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」
  • 答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~『新たな教師の学びの姿』の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」

 中央教育審議会は2022年12月19日の総会で、今後の改革の方向性をまとめた答申「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~『新たな教師の学びの姿』の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」を取りまとめた。

 中央教育審議会は、2021年3月の文部科学大臣諮問において検討項目「教師に求められる資質能力の再定義」「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の在り方」「教員免許の在り方・教員免許更新制の抜本的な見直し」「教員養成大学・学部、教職大学院の機能強化・高度化」「教師を支える環境整備」を受け、特別部会を設置し審議を行ってきた。このうち、教員免許更新制については2021年11月に発展的解消が提言されている。

 審議においては、教師の学びについてどのようなあり方が望ましいのか、基本的なところまで遡って検討。新たな教師の学びの姿は、高度な専門職である教師にふさわしい主体的な姿勢の尊重、学びの内容や、たとえば「現場の経験」を重視した学びといったスタイルの多様性の重視等を鍵とし、1人1人の教師が安心して学ぶことができる姿の実現を目指している。

 2021年答申では学校教育・教員制度の改革について、2020年代を通じて実現を目指す学校教育を「令和の日本型学校教育」とし、その姿を「すべての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学び」と定義した。

 今回の答申では、これらを踏まえ、3つの総論「『新たな教師の学びの姿』の実現」「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成」「教職志望者の多様化や教師のライフサイクルの変化を踏まえた育成と安定的な確保」を今後の方向性として示し、全57ページで総論と各論に取りまとめている。

 2025年度までに実施される改革は 「新たな教師像と教師に求められる資質能力」「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成」「教員免許の在り方」「教員養成大学・学部、教職大学院の在り方」「教師を支える環境整備」の5項目。

 このうち、教師に求められる資質能力については「教職に必要な素養」「学習指導 」「生徒指導 」「特別な配慮や支援を必要とする子供への対応 」「ICTや情報・教育データの利活用」の5項目に再整理された。

 強みや専門性を身に付ける活動との両立のためには、4年制大学において最短2年間で必要資格が得られる教職課程の特例的な開設・履修モデルを設定し、専門性を有する者には特別採用選考試験等も行う。また。任命権者における特別免許状を活用した特別採用選考試験の実施促進、特別免許状による採用者を対象とした研修の実施・支援、教員資格認定試験の拡大等、多様な専門性や背景をもつ人材を教師として取り入れるための方策をまとめている。

 教員免許については、小学校教諭と中学校教諭の両免併有を促進する。教師を支える環境整備については、学びの振り返りを支援する仕組み(研修履歴記録システム等)の構築、喫緊の教育課題に対応したオンライン研修コンテンツの充実等を行う。また、学部と教職大学院や、教育委員会と大学の連携強化、養成段階における教員就職率向上のための取組み等、教員養成大学・学部、教職大学院の高度化・機能強化を図る。


逆引き版 ICT活用授業ハンドブック
¥2,200
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《川端珠紀》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top