東京都教育委員会が2023年度都立高校入試から活用予定の「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」について、立憲民主党は2022年9月20日、入試に反映しないよう規定する「東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例案」を東京都議会の議会運営委員会理事会に提出した。
「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)」は、英語4技能のうち「話すこと」の能力を評価するテスト。東京都教育委員会は、都内公立中学3年生の全生徒を対象に11月27日(予備日12月18日)にテストを実施し、2023年度東京都立高校入学者選抜でテスト結果を活用する方針を明らかにしている。
これに対して、立憲民主党は東京都教育委員会が進めようとするESAT-Jは、評価や判定の基準を標準化することが困難で、評価者による評価や判定のばらつきを完全に避けることは難しく、入学者選抜の平等性や公平性が確保できないと反発。かねてから問題点を指摘し、本会議や委員会で質問するとともに、5月には教育長あてに延期・見直しを求める要請書も提出しているが、方針が変更されないため、条例案提出に至ったと説明している。
9月20日に議会運営委員会の理事会に提出した「東京都立高等学校の入学者の選抜方法に関する条例案」では、都立高校の入試について、従来通り中学校から提出された調査書、学力検査、面接等によって決定すると規定。条例案が可決された場合、ESAT-Jの結果は、2023年度都立高校入試に反映させることができなくなる。
かねてから賛否両論あるESAT-Jだが、受験シーズンを目前に控え、テスト実施も2か月後に迫る中での議論には、受験生・保護者に不安や混乱を招くことが懸念される。立憲民主党では、「結果は入試に活用しないだけで、テストそのものを中止するものではない」としている。
都立高入試の英語スピーキングテスト(ESAT-J)活用に賛成or反対、その理由とは