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富士市、校務と授業「二刀流」PC環境を小中学校に導入

 パナソニックISは、静岡県富士市内の小学校27校・中学校16校の教職員向けに1人1台のPC環境を導入し、2021年11月に本番稼働を開始した。1台のPCで校務・授業の両方に活用できる「二刀流」であることに加えて自宅等からのテレワーク利用も可能な先進的な環境となっている。

教材・サービス 授業
授業ではタブレットとして活用(授業用ネットワークにアクセス)
  • 授業ではタブレットとして活用(授業用ネットワークにアクセス)
  • 職員室等の授業以外のシーンではノートPCとして活用(校務用/授業用ネットワークにアクセス)
  • ネットワークの切り替えはアイコンをダブルクリックで簡単操作
  • システム構成図

 パナソニック インフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)は、静岡県富士市内の小学校27校・中学校16校の教職員向けに1人1台のPC環境を導入し、2021年11月に本番稼働を開始した。1台のPCで校務・授業の両方に活用できる「二刀流」であることに加えて自宅等からのテレワーク利用も可能な先進的な環境となっている。

 富士市教育委員会では、2011年度より市内小・中学校の全教職員向けに校務用PC環境を整備。さらに2018年度には、市内小・中学校には学習用タブレット約3,000台を整備、教職員用としては授業用タブレットを各校に数台ずつ配布しており、学習用タブレットについてはその後に、文部科学省の掲げる「GIGAスクール構想」に対応すべく、端末を増設して児童・生徒1人1台の環境を実現している。

 2021年度に校務用PC環境をリプレースするにあたっては、「授業用端末の増設」「校務用端末と授業用端末の一本化」「セキュリティと利便性」を実現するために1台のPCを校務と授業の両方に活用できる「二刀流」の環境整備を決定し、校務用PC環境をはじめとしたVDI(仮想デスクトップ)構築に豊富な実績をもつパナソニックISのシステム採用となった。

 今回導入されたシステムは、サーバーストレージバックアップ機能をすべて集約した日本ヒューレット・パッカードのハイパーコンバージドインフラストラクチャ製品「HPE SimpliVity」と、日本HPの2in1タブレット「HP Elite x2 G8」1,300台で構成。校務用ネットワークと授業用ネットワークを分離して1台のPCからそれぞれにアクセスを可能にすることで、高いセキュリティを保ったままに教職員の利便性を向上、端末台数を減らすことで富士市教育委員会にとっても故障・破損のリスク低減や保守コストの抑制につながった。

 2011年度に整備されていた自宅等からの校務用ネットワークへのアクセスの利便性も向上。最大で1日あたり延べ800人台だった従来のテレワーク利用人数は、環境のリプレース後には、同1,000人台を超える日も記録されており、テレワークの利用が促進された。

 パナソニックISでは、富士市教育委員会へのサーバ設置・ネットワーク構築・データ移行・システム切り替え等を約1か月間で実施、1,300台の端末展開までを2021年11月の本番稼働開始までに予定通りに完遂しており、その後もシステムトラブルがなく活用されている。

 富士市教育委員会では、新たな環境導入に手応えを感じており、「『GIGAと校務の二刀流』は学校現場からの強い要望であったため、端末の配付日には職員から歓声が上がった学校もあったそうです。高スペックかつスタイリッシュな2in1端末により、これまでできていたことがより快適になり、これまでできなかったことが実現可能になりました。今回の整備により、オンライン会議や研修等が日常的にできるようになったため、業務の効率化につながっています。また、画像や動画を活用した教材が円滑に作成できるようになったため、子供たちの1人1台端末が、より効果的に授業で活用できるようになりました」とコメントしている。

《増田有紀》

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