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追手門学院大学のDX、学生ファーストの視点から体験価値の向上を最優先に

 多くの大学がDXの推進を重要課題として掲げる中、追手門学院大学(大阪府茨木市)は「学生ファースト」の視点から、学生の体験価値(CX:Customer Experience)向上を最優先とした先進的なDX戦略を展開している。

事例 ICT活用
入学式にQRコードで受付をしているようす
  • 入学式にQRコードで受付をしているようす
  • 2025学院DXプロジェクト/アプリチーム
  • 追手門学院大学の教学DXの三種の神器
  • OIDAIアプリ
  • OIDAIアプリの画面
  • 2025年4月に開設した新校舎(II期棟)では学生が利用できる施設が多数点在しており、施設の利用手続きもOIDAIアプリから行える
  • 2025年度には理工学部も開設され、文理を超えたハイブリッドキャンパスとなった追手門学院大学の茨木総持寺キャンパス

 多くの大学がDXの推進を重要課題として掲げる中、追手門学院大学(大阪府茨木市)は「学生ファースト」の視点から、学生の体験価値(CX:Customer Experience)向上を最優先とした先進的なDX戦略を展開している。その象徴とも言えるのが、大学独自のアプリ「OIDAIアプリ」であり、これに「未来志向LMS(学習管理システム)」、そして「超統合DB(データベース)」を加えた「教育DXの三種の神器」を展開し、学生の学びとキャンパスライフ全体を包括的にサポートする環境を整備している。同大学の取組みについて2025学院DXプロジェクト/アプリチームのリーダー岡野氏に聞いた。

課題への挑戦

 追手門学院大学が本格的なDXに着手する以前、いくつかの構造的な課題を抱えていた。大きな課題のひとつは、学内に多数のシステムが乱立し、それぞれが独立して運用されていたこと。これにより、学生は必要な情報を得るために複数のシステムにログインし、情報を探し回らなければならないという煩雑さを強いられていた。また、教職員にとっても、学生の情報を多角的に把握することが困難であり、きめ細やかなサポートを提供するうえでの大きな障壁となっていた。

 岡野氏は当時の状況を「学生にとっては必要な情報にたどり着くまでに時間がかかりストレスだった。教職員にとっては、部署で使っているシステムや所有しているデータの共有がスムーズに行えないことがストレスだった」と振り返る。データの分散管理の問題もあり、このような状況は学生の利便性を損なうだけでなく、大学側も学生の状況を総合的に把握することが難しく、適切なサポートを提供するうえでの障壁となっていた。


《田村麻里子》

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