多くの大学がDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に力を入れる中、東洋大学では2025年度入学生からスタートした新カリキュラム「総合知教育」の仕組みを支えるものとして、「総合知アプリ」がリリースされた。
そこで総合知アプリ開発の背景や、目指すところなどについて、「総合知アプリ」開発者の東洋大学高等教育推進支援室の矢野智子氏と高橋徹氏に話を聞いた。
「教育DX推進基本計画」が示す学習者本位の学び
2020年のコロナ禍を契機に、東洋大学では従来の対面による情報提供から急激なオンライン化への移行が求められた。「学生がどこで情報を見れば良いのかわからない」という声が多く聞かれるようになり、学生視点に立った環境づくりが喫緊の課題となった。
こうした状況を受け、東洋大学では2021年1月に学長主導のもと「教育DX推進基本計画」が策定された。「学生ひとりひとりの成長を約束するために、デジタルを十分に活用した学修者本位の教育の実現を目指し、大学全体の教育の高度化と質保証を十全にする」という基本方針のもと、以下の5つの計画が立てられたという。
計画1:入学から卒業まで一貫した教育情報のデータ統合とAI 解析結果の最適活用
計画2:オンキャンパスとオフキャンパスの学習スタイルの高度化と多様化
計画3:建学の精神の具現化を目的としたリカレント教育の世界展開(国内地域含む)
計画4:学生の成長を中心に据えた体系性あるFD・SD プログラムの構築と学内業務の断捨離
計画5:デジタル活用推進委員会による推進体制と外部人材を採り入れた評価体制の構築
