DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む大学が増える中、地域や組織の枠を超えて連携し、全国の大学のDX推進を後押しする団体がある。それが、東北大学が中心となって組織されている「大学DXアライアンス」だ。
大学DXアライアンスの意義と東北大学の立ち位置やその使命について、東北大学経営戦略本部企画室主任経営企画スタッフの藤本一之氏、デジタル変革推進課特任准教授の小野寺司氏、デジタル変革推進課課長の佐藤卓氏に話を聞いた。
「大学DXアライアンス」とは
「大学DXアライアンス」は、東北大学業務のDX推進プロジェクト・チームが中心となって運営する任意の連携組織で、2025年7月日9時45分現在、83の大学が参画している。大学DXを推進するためのコミュニティとして、各大学の課題解決や情報共有を行っている。メンバーは日々増加しており、特に直近2か月では約120名の新規参加があったという。

「大学の業務改革やデジタル化に関する知見を共有し、互いに学び合える場を目指しています」と、藤本氏は語る。
大学DXアライアンスが特徴的なのは、大学だけでなく、企業の参画も認めている点だ。これにより、大学が抱える課題に対して、企業からITソリューションの提案を受けることも可能となっている。
AXIES(アクシーズ:大学ICT推進協議会)の年次大会や各種セミナーで紹介することはあれど、そのほか明示的な宣伝活動は特に行っておらず、「おもに口コミや、大学間の相互訪問などを通じて輪が広がっている状況です」と小野寺氏。この自然な広がりは、アライアンスの価値を示している証左といえるのではないだろうか。