教育機関を取り巻く環境が大きく変化する現在、大学DXは単なる業務効率化にとどまらず、大学の組織運営や教育・研究の在り方そのものを問い直す取組みとなっている。長崎大学は、この課題に対し、学内組織の分散性を見据えた「マイクロDX」という独自のアプローチで全学的な改革を進めている。
本稿では、同大学のDX推進を牽引する副学長の高田英明氏に、取組みの背景から戦略、そして今後の展望について話を聞いた。
分散型組織に適したボトムアップ戦略
長崎大学は、学生約9,000人、教職員約3,000人を抱える地方国立大学だ。学部や研究科ごとの独立性が高く、分権的な組織構造が特徴となる。そのような中で、全学的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現するため、現場主導の「マイクロDX」というアプローチを基軸に、地道ながらも着実な変革を進めている。














