日本女子大学は2026年5月21日、従来の理学部を発展させ、工学領域を含む「理工学部(仮称)」を2029年4月に開設する構想を発表した。1学部1学科4専攻制を採用し、数学・物理学、情報理工学、化学生命、医薬工学の4専攻を新設予定。社会実装へとつなぐ工学的視点を含む総合力をもつ理系女性人材の育成を目指す。
同大学の理学部は、1948年に前身の家政学部家政理学科を開設して以来、78年にわたり理系人材の育成を担ってきた。私立女子大学で唯一の理学部として、科学技術の基本となる自然科学に根差した教育と研究を積み重ねてきた歴史をもつ。一方で、現代社会が抱える課題はますます複雑化、細分化しており、社会実装へとつなぐ工学的視点を含む総合力を持つ理系女性人材の育成が急務となっている。こうした時代の要請を踏まえ、これまでの基盤を固めつつ、新たな産業分野を創生・牽引できる力を身に付けられる学部へと進化させるとしている。
新設を構想する「理工学部(仮称)」は、1学部1学科4専攻制を採用する。「数学・物理学専攻(仮称)」「情報理工学専攻(仮称)」「化学生命専攻(仮称)」に加え、医療・健康分野に対する社会的要請の高まりを背景に「医薬工学専攻(仮称)」の新設を構想している。4専攻へ広がった領域が発展することで、数学、物理学、情報、化学、生物学などの自然科学の学びを深化させるとともに、既存の知識と未知の学問領域への挑戦を通じて、現代文明が抱える問題に対処できる人材の養成を目指す。
同大の篠原聡子学長は、今回の開設構想について、「現代の社会は、大規模な気候変動、パンデミックへの懸念、食料の需給問題など、予測困難な課題に直面している。こうした地球規模の課題に対処し、解決していくためには、自然科学に対する深い理解と、それらの知見に基づき、柔軟に現実を分析し創造的な解決を図っていく英知が必要だ。そうした英知をもつ、持続可能で豊かな社会の担い手の育成を目指し、私立女子大学唯一の理学部を有する同大学は、その実績を基盤としつつ、さらに発展的かつ実践的に現実の諸課題に応用できる体制を強化するため新学部として『理工学部(仮称)』の開設を構想する」と説明した。
日本女子大学は、日本初の組織的な女子高等教育機関として創立し、2021年に120周年を迎えた。文理融合の教育環境をもつ女子総合大学として、「私が動く、世界がひらく。」のタグラインのもと、自ら学び、自ら行動し、新しい価値を創造できる人材を育てている。近年は大学改革を継続的に進めており、2024年度に「建築デザイン学部」を、2025年度には「食科学部」を開設。さらに2026年度には文学部2学科の名称変更を行った。今後は、2027年度に「経済学部(仮称)」、2028年度には「ファッションデザイン学部(仮称)」および「人間科学部(仮称)」の開設も構想している。
「理工学部(仮称)」および「理工学科(仮称)」に関する情報については、詳細が決まり次第、同大学のWebサイトなどで発信するとしている。なお、記載内容は構想段階のものであり、今後、名称を含め変更する可能性もある。







