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高校以上の端末整備、学校の負担は最小限…EC活用で保護者も安心・納得

 高校以上の教育機関において、保護者負担による1人1台端末の整備を進める動きが広がっている。学校・保護者双方の負担を軽減し、大きな安心感をもたらすSB C&Sの「高校以上向けサービス」について、同社の野坂香里氏に聞いた。

教材・サービス その他
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Yahoo!ショッピングを活用した保護者向け端末販売の流れ
  • Yahoo!ショッピングを活用した保護者向け端末販売の流れ
  • 高等学校段階の端末整備状況について
  • EC販売可能なおもなメーカー
  • 学校専用ストア 購入フロー
  • 教育の可能性をさらに広げるCopilot+ PCは各メーカーから発売
  • SB C&S ICT事業本部 GIGAスクール構想担当 野坂香里氏

 高校以上の教育機関において、保護者負担による1人1台端末の整備を進める動きが広がっている。しかし、ICTを活用した学びが広がる一方で、自治体や学校が端末をすべて公費で用意することの難しさがある。

 こうした中、SB C&Sはソフトバンクのグループ企業の強みを生かし、保護者負担による端末購入においてYahoo!ショッピングを活用したサービスを展開している。ECサイトを通じて購入できる仕組みは、学校・保護者双方の負担を軽減し、大きな安心感をもたらす。SB C&S ICT事業本部 GIGAスクール構想担当の野坂香里氏に、高校や大学、専門学校など高校以上の教育機関における端末整備をめぐる動向や、同社が展開する「高校以上向けサービス」について聞いた。

SB C&S ICT事業本部 GIGAスクール構想担当 野坂香里氏

高校・大学・専門学校などで選ばれる端末、最近の傾向は?

--高校以上の教育機関において、どのような端末が選ばれる傾向にありますか。

 重視されるポイントは、小中学校と同様に軽量で持ち運びやすいこと堅牢で壊れにくいことです。生徒・学生は教科書や課外活動の荷物も多く、通学時の満員電車や、自転車のかごに入れて運ぶといった場面が日常です。鞄へポンと入れても故障しにくい、安心して持ち運べる端末が求められています。

 また、企業の多くがWindowsを使っているため、将来役立つスキルを身に付けることを見据えるケースが目立ちます。また、教員の指導のしやすさの観点から、普段自分が使っているOSと同じものを購入させるというケースもあるようです。

「保護者負担」の端末整備が広がる背景

--保護者負担による端末整備を行う学校が増えてきた印象があります。なぜ、保護者負担での端末整備を実施する学校が増えてきているのでしょうか。

 文部科学省が2024年8月に公表した調査結果では、公立高校において保護者負担で整備した学習用端末は、2023年度の約74万台から、2024年度は約100万台へと増えており、年々、保護者負担で学習用端末を整備する学校は増えています。

 理由は、全員分の端末費用を学校や自治体だけで負担するのが難しいからです。小中学校は国からの補助がありましたが、高校以上は義務教育機関ではないため、同じ仕組みを適用することは困難です。公費だけではまかなえないため、保護者負担が求められる状況になっています。

高等学校段階の端末整備状況について
(画像出典:文部科学省「高等学校段階における学習者用端末の整備状況について(令和6年度当初)」より抜粋
https://www.mext.go.jp/content/20240806-mxt_jogai02-000020467_01.pdf)

 端末購入に関して、保護者の受け止め方が変化しているように感じています。コロナ禍にオンライン授業が一気に浸透し、子供が端末を使って学ぶ姿が家庭でも一般的になりました。その結果、端末は学びに不可欠という理解が進み、保護者が端末購入を教育への投資と考えるようになってきています。

 GIGAスクール構想開始から5年が経ち、当時小学生だった子供たちが高校に進学する時期を迎えています。そのため、保護者にも学習者用端末が「必要なもの」として受け入れられるようになってきたのではないでしょうか。調べ学習や課題提出、進路調査など、家庭でも端末を活用する場面が増えていることから、学習の幅を広げるツールとして、以前より保護者の理解が得られやすい状況になってきていると感じています。

端末の調達方法、それぞれのメリット

--保護者負担による端末調達の方法として、BYADやBYODなどがありますが、現場ではどのように使い分けられているのでしょうか。

 私たちに寄せられるご相談の中では、私立学校はBYAD(Bring Your Assigned Device)BYOD(Bring Your Own Device)が半々くらいです。BYADとは、学校が指定した端末を購入してもらう方式です。学校が機種や保証内容まで決めて案内するため、授業運営に必要な環境を一律で安定的に確保できるという利点があります。

 一方で、BYODは機種の指定がなく、家庭にある端末や自分で購入した端末を持ち込む方式です。コストが抑えやすい反面、端末のスペックやOSの違いによって一部の学習アプリが動作しないといった問題が生じやすい難点があります。さらに両者の中間にあたるCYOD(Choose Your Own Device)を採用する学校もあります。学校が選定した複数機種の中から選べるようにして保護者の自由度と学校側の統制を両立させるケースです。

 私たちにご相談いただく公立学校の8割以上が、BYOD方式を採用しています。この場合は、家庭にある端末をそのまま使えるため導入しやすい一方で、授業の公平性を保つために最低限のスペック要件を設けることが必要になります。

 調達方法は学校により異なりますが、いずれも円滑に活用するための工夫が求められます。

保護者負担によるICT整備の最大課題は教育の公平性

--BYODの場合、授業運営で不都合が生じることもあるのではないでしょうか。

 それがまさに大きな課題です。授業で利用するアプリケーションや教材が、一部の端末では上手く動作せずに使えないというケースは実際によく起こります。特にOSが異なる場合や、スペックが不十分な端末で顕著です。その結果、一部の生徒だけが学習機会を十分に得られない状況が生まれてしまう。こうした「教育の公平性」を損なう事態はあってはならないと、強く感じています。

 そのため、BYODを採用する場合であっても、学校側は授業計画に基づいた最低限のスペックやOSバージョンを明確に定め、すべての生徒が同じ条件で授業を受けられるようにする必要があります。公平性を担保するための基準を設けることは、ICT教育を推進するうえで避けては通れません。

 公平性という観点では、故障対応やサポート体制も欠かせません。端末が故障すると、その生徒だけ授業や課題に遅れてしまう恐れがあります。さらに、授業中に端末の不具合に関する相談が集中すれば教員の負担が増し、学級全体の学習機会まで損なわれてしまいます。そのため、保証内容やサポート窓口についても、あらかじめ整備しておくことが重要です。

Yahoo!ショッピングが支える安心・便利な「学校専用ECサイト」

--SB C&Sが、保護者負担による端末整備を行う学校に対して展開している「高校以上向けサービス」の概要を教えてください。

 「高校以上向けサービス」は、保護者負担による端末整備を行う学校を対象としたサービスです。学校が指定した対象端末をYahoo!ショッピングを通じて購入でき、BYAD・BYOD・CYODいずれの方法にも対応しています。一般的に使われているECサイトからの購入になりますが、URLを知る関係者だけがアクセスできる仕組みのため、外部から検索しても表示されません。学生番号や受験番号などを利用して、在籍者・合格者のみに販売します。

 専用サイトでは、学校側の希望にあわせて周辺機器や延長保証、サポートといった関連サービスも同時に販売可能です。納品は、学校への一括配送だけでなく、生徒の自宅へ直接配送も行います(自宅配送の場合は別途送料が発生)。

 学校にとっての最大のメリットは、販売・購入にかかる労力を大幅に削減できる点です。従来は学内で販売会を開催したり、一括購入窓口を代行して申込書や費用を回収したりする必要がありましたが、「高校以上向けサービス」は専用サイトのURLと購入期限を保護者に案内するだけで完結します。学校が事前に準備するのは、「販売する端末やオプションの選定」「希望価格帯」「販売期間」の3つを決めるだけです。たとえば「GW明けから端末を利用したい」「10万円を超えない範囲で設定してほしい」といった要望をもとに、弊社と協力会社が端末選びのお手伝いから、専用販売サイトの作成、申込受付、入金確認、購入に関する問合せ対応、配送まで一貫して請け負います。

--保護者には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 保護者にとっては、いつものネットショッピングと同じ感覚で安心して購入できる点が最大の魅力だと思います。また、学校が選定した製品のみが表示されるため、迷うことなく購入できます。決済方法も幅広く、クレジットカードやPayPay関連払い、コンビニ決済から選べます。さらに、Yahoo! JAPAN IDを利用できるため、すでに貯まっているポイントを端末購入に充当したり、購入額に応じて新たにポイントが付与されたりする点も好評です。キャンペーン期間中の購入であれば、キャンペーン特典も適用されます。「高額な買い物だからこそ、ポイントが使えたり貯まったりするのは嬉しい」という声も多くいただいています。

学校専用ストア 購入フロー

 多くの人に利用されているYahoo!ショッピングをプラットフォームに使っているため、住所やクレジットカード情報など、個人情報を入力する際にも、安心してご利用いただけます。保護者にとっては便利で安心な購入を、学校にとっては業務負担の軽減を実現するサービスです。

AIと学びの未来、Copilot+ PCの可能性

--教育現場ではAIの活用にも関心が高まっており、AI機能を最大限に活用するWindowsのCopilot+ PCも注目を集めているのではないでしょうか。Copilot+ PCは今後、教育現場でどのような活用が期待されていますか?

 Copilot+ PCは、生成AIを端末内で直接動かすことができる新しいタイプのパソコンです。従来のAIサービスはクラウド経由が主流でしたが、ローカルで処理が完結するため、スピードや安全性に優れ、個人情報や入試関連データのように外部に出せないセンシティブな情報を扱う際にも適しています。

 多くの教育機関で現在、実証的に利用している段階ですが、教育現場での活用シナリオは非常に多いと考えています。たとえば、生徒ではレポート作成や調べ学習の支援、進路相談のシミュレーションといった活用が考えられます。気軽にAIに相談できる環境は、悩みを抱える生徒に寄り添い、心理的ハードルを下げる効果も期待できます。

 教員にとっても、採点補助や教材作成支援、授業方法の提案など、日常業務を支える有効なツールとなり得ます。また、障害のある生徒向けに音声認識や翻訳機能をローカルで動かすことで、学習支援をきめ細かく行い、教育の公平性を確保することにもつながります。

 AIの進歩スピードは極めて早く、近い将来、社会に広く浸透していくと思われます。今後、生徒が社会に出るころには、AIを当たり前に使いこなす力が必須になるでしょう。そうしたことを踏まえると、Copilot+ PCはICT教育の次の選択肢として大きな役割を果たしていくと考えています。

学校と共に課題解決へ、SB C&Sのこれから

--今後、どのような支援をしていきたいとお考えですか。

 私たちが学校向けに専用ECサイトでの端末購入支援を始めたのは、約4年前です。おかげさまで毎年ご利用いただく学校が増えており、現在では公立・私立を問わず活用いただけるようになりました。学校からは「調達業務の負担が一気に軽くなった」という嬉しいお声もいただいています。

 今後は、保護者負担での端末購入に関する課題を着実に解決していきたいと考えています。経済的な負担をどう軽減するか、BYODによる端末の性能差をどうカバーするか、故障や不具合時のサポート体制をどう整えるか。学校や自治体が直面する課題は多岐にわたり、すべてを我々だけで解決できるわけではありませんが、ひとつひとつを確実に支援し、教育の公平性を守りながらICT活用を推進していくのがSB C&Sの役割だと思っています。

--端末整備を検討している学校・自治体へメッセージをお願いします。

 端末整備は、学校や自治体にとって非常に負荷の大きな業務だと考えています。SB C&Sは、弊社販売店さまと共にそれを少しずつ軽減し、解決するお手伝いができると自負しております。「何から手をつけて良いかわからない」「課題が複雑でなかなか進まない」といったときは、ぜひお気軽にご相談ください。ICT環境整備をトータルで進める私たちだからこそできる柔軟な提案で、学校や自治体の皆さまと一緒に最適な仕組みをつくりあげていく伴走者でありたいと考えています。


 保護者負担による端末導入は、今後ますます広がっていくだろう。その際に重要になるのは、教育の公平性を損なわずにICT環境を整備できるかどうかだ。SB C&Sが提案するYahoo!ショッピングを活用した端末購入サービスは、その課題に応える具体的な解決策として、学校・保護者の双方に大きなメリットがあると感じた。教育現場の変化を支えるSB C&Sの取組みに今後も注目したい。

SB C&S「高校以上向けサービス」

Amazon Echo Spot(2024年発売)が当たるアンケートキャンペーン

 2025年10月31日まで、「学校用端末に関するアンケート」を実施しています。アンケートに回答いただいた方の中から、抽選で5名様にAmazon Echo Spot(2024年発売)をプレゼントいたします。

アンケートはこちら
《畑山望》

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