Gakkenは2024年9月2日、桐原書店の発行済み株式の過半数を取得しグループ会社化することを決議し、株式譲渡契約を締結したことを発表した。株式譲渡実行日は2024年9月12日を予定している。
学研HDの完全子会社であるGakkenは、グループの出版コンテンツ事業と園・学校事業の中核を担う事業会社として、未就学児から小中高生、社会人、シニアまで幅広い層に向けさまざまなスタイルの「まなび」を提供し、児童書・学習参考書・一般書・医学看護書やデジタルコンテンツ、検定教科書や幼保園向けコンテンツ等を手掛ける総合出版社。
一方、桐原書店は「学習に喜びと感動を - Take joy in what you learn」のスローガンのもと、高等学校向け英語・国語検定教科書・学習参考書などの企画・出版のほか、デジタル教材、小論文事業などを展開する教育出版社。近年は、アプリを始めとするデジタル教材の開発・提供にも注力しており、語学市場の変化に対応した新事業にも取り組んでいる。
現在、大学入学者選抜改革により、学校推薦型、総合型選抜による入学者が半数を超え、多面的・総合的な評価の観点から、語学検定や小論文・プレゼンテーションといった、従来の教科学習以外の学習ニーズが高まっている。また、「自己の在り方生き方を考えながら、より良く課題を発見し解決していくための資質・能力を育成すること」(高等学校学習指導要領)を目的とした探究学習が2022年度から本格実施され、高校現場では試行錯誤しながら取組みが進められており、高校教育事業を取り巻く環境は大きく変化している。
今回、多様化するニーズを満たす価値を提供すべく、高校領域において豊富なコンテンツ開発ノウハウと広範なネットワークを有する桐原書店が、Gakkenにグループインすることとなった。桐原書店は、グループイン後も従前の検定教科書や教材の発行を継続する。今後は、Gakken・桐原書店両社の高校現場とのネットワークを融合させ、提供サービスの拡充を図るという。
また、推薦・総合型選抜対策や探究学習、語学といった新たなニーズに対応すべく、新事業の開発に協働して取り組む。特に学研グループ中期経営計画「Gakken2025」でも重点領域と位置付けている語学事業においては、両社の出版ノウハウ・ネットワークを活用しながら、紙だけでなくデジタル領域でも新たな価値創出を目指すという。