ICT担当者の70.9%が現在学校で導入しているWi-Fiを「改善したい」と感じていることが2025年9月17日、パソコン周辺機器を手掛けるバッファローの調査結果から判明した。理由は「多台数接続時に通信が不安定」などがあがり、通信の安定性を求める声が多く寄せられた。
学校現場におけるICT活用とネットワーク環境に関する調査は8月22日~26日の期間、教育委員会に所属しICT関連業務に携わるICT担当者86人を対象に実施。IDEATECH提供のリサーチデータマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査で、教育現場のICT活用とネットワーク環境の実態を明らかにした。(出典元:バッファロー)
調査では、ICT担当者の70.9%が現在学校で導入しているWi-Fiを「改善したい」と回答。7割以上が学校現場のネットワーク環境を課題視していることがわかった。理由は、「1人1台端末を使用する際など、多台数の端末を同時接続した場合に通信が不安定になる」が55.7%でもっとも多く、ついで「一斉に動画視聴をした際に、再生速度にバラツキが発生し授業進行に支障が出る」が44.3%、「オンライン授業時に、映像や音声が途切れることがある」が34.4%で続いた。
ネットワーク機器の保守・管理において、機器の集中管理サービス(ソフトウェアやクラウドによる管理など)を「利用している」割合は69.8%にのぼった。集中管理サービスの問題点としては、「ライセンスの更新費用が高く、継続に課題を感じている」が46.7%でもっとも多く、ついで「複数メーカーの機器を一元管理できず、管理が煩雑になっている」が38.3%、「サポート体制が不十分で、トラブル時の対応に不安がある」が31.7%となった。
一方、集中管理サービスを未導入の割合は15.1%で、その理由には、「初期導入費用が高額で予算確保が困難」38.5%、「導入後のライセンス更新費用が継続的な負担になる」38.5%、「操作や設定に専門知識が必要で、対応できる人材がいない」30.8%などがあがった。
ネットワーク機器のリプレースを検討する場合、重要視する機能や製品仕様は、「セキュリティー機能の高さ」が52.3%ともっとも多く、「多台数接続時の通信安定性」と「通信速度の速さ」がそれぞれ48.8%となった。リプレースを検討する場合の財源は、「自主財源」が35.0%、「活用可能な補助金(今後発表された場合)」が26.7%、「ネットワークアセスメント補助金」が18.6%。所属する自治体のネットワークアセスメント(現在のネットワーク環境の調査・分析)の実施状況を尋ねると、実施済みが40.6%、実施予定が32.6%であった。
今回の調査では、GIGAスクール構想による1人1台端末の活用が進む中で、多台数接続時の通信安定性やネットワーク機器の集中管理サービスのライセンス費用負担などネットワーク環境の課題が顕在化していることが判明した。教育のデジタル化が加速する現在、安定したICT教育環境の実現は教育効果向上の鍵となる一方で、予算制約や専門人材不足といった現実的な障壁により、理想的なネットワーク環境の構築に苦労している実態が浮き彫りとなった。
パソコン周辺機器を手掛けるバッファローのWebサイトでは、NEXT GIGAに向けた見直しの参考になる「学校ネットワーク課題解決ガイド」のダウンロードができる。同社では、多台数接続時も安定稼働する学校向けネットワーク機器を展開。校内ネットワークの悩みには、同社グループのバッファロー・IT・ソリューションズが、綿密なヒアリングを行ったうえでネットワーク環境の現状を調査・分析し、結果を詳細にまとめたレポートと共に最適な対策を提案するとしている。