教育業界ニュース

利島村教委と国際エデュテイメント協会が連携…ICT活用や地域探究

 国際エデュテイメント協会は2025年7月29日、東京都利島村教育委員会と2025年度の包括的なICT活用支援や地域魅力化等の業務を受託したことを公表した。利島村の学び促進を目的とした有効的なICT活用や教育観のアップデートに加え、教育をきっかけに地域の魅力発信について伴走支援する。

教育行政 教育委員会
利島村教育委員会の三室哲哉教育長(左)と国際エデュテイメント協会代表理事の森俊介氏(右)
  • 利島村教育委員会の三室哲哉教育長(左)と国際エデュテイメント協会代表理事の森俊介氏(右)
  • 島と教育の未来会議 in 利島村
  • 利島村

 全国の教育委員会や学校に向けたDX支援や探究プログラム提供を行う国際エデュテイメント協会は2025年7月29日、東京都利島村教育委員会と2025年度の包括的なICT活用支援や地域魅力化等の業務を受託したことを公表した。利島村の学び促進を目的とした有効的なICT活用や教育観のアップデートに加え、教育をきっかけに地域の魅力発信について伴走支援する。

 複雑で予測が難しいVUCA時代において、文部科学省は個々人が自分で学びを選択できる「個別最適な学び」と、児童同士や教師と児童生徒が意見交換をしながら協働する「協働的な学び」を授業などで展開することを求めている。2019年にGIGAスクール構想がスタートし、2年後には全国の児童生徒96%に個人のタブレット端末が配備された。2025年度の全国学力・学習状況調査によると、ICT機器を「ほぼ毎日」「週3回以上」活用する学校は、小学校97%、中学校95%となっている。

 人口約300人の東京都利島村では2024年度より小中一貫義務教育学校が開校し、児童生徒数は小・中学生あわせて約30人程度と小さな学校において9年間の一貫した教育を目指している。これまでもICTの活用強化を図ってきたが、GIGA2期を見据えさらなる強化を促すとともに「教師が育つ島」を利島村教育委員会のビジョンのもと教師の育成にも力を入れている。

 国際エデュテイメント協会は、全国300以上の自治体と連携してきた最先端ノウハウを活用し、利島村の教育発展においてICTを効果的に活用した学びのあり方、教職員の教員観のアップデート、離島から本島への学びの発信を強化のため、伴走支援することになった。

 取組み内容には、ICT活用支援および指導能力の向上、教育観の醸成のための指導助言および研修会の実施、教育イベント開催やnote運用等利島村魅力発信支援業務が含まれる。具体的には、iPadの効果的な使い方やさまざまなアプリケーションの使い方、放課後ミニ研修、個別最適な学びや協働的な学びの実現のための教育観をアップデートする研修、授業における指導助言などが行われる。

 9月6日には、利島村地域交流会館でイベント「島と教育の未来会議 in 利島村」を開催する。イベントの詳細は、Webサイトで確認できる。

 利島村教育委員会の三室哲哉教育長は「利島村は全国で3番目に人口が少なく、4番目に面積が小さい東京都の自治体です。しかし、その特性を生かして子供たちひとりひとりに丁寧に向き合える、かけがえのない教育環境を育んでいます。一方で、ICT活用や専門的支援体制には課題があり、今回の連携は新たな転機となる重要な一歩です」と述べている。

 国際エデュテイメント協会の森俊介代表理事は「その市区町村で生活する児童生徒が卒業したときにどんな人になっているか、また将来豊かな人生を送るためにどんな力が備わっているべきかを常に考えながらサポートを行っています。利島村教育委員会の三室教育長と連携しながら、今後のより良い学びの実現に向け尽力していきたいと思います」と述べている。

《吹野准》

この記事はいかがでしたか?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top