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福山市の不登校支援にメタバース活用、NIJINアカデミーと業務連携

 NIJINが運営する小中一貫オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」は、広島県福山市教育委員会と連携し、2025年7月より福山市の不登校の小中学生への支援を開始した。メタバース校舎への参加支援、対話型のオンライン授業、子供主体のプロジェクト活動、個別の学習サポートなどの支援を予定している。

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不登校支援業務の連携を開始
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 NIJINが運営する小中一貫オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」は、広島県福山市教育委員会と連携し、2025年7月より福山市の不登校の小中学生への支援を開始した。メタバース校舎への参加支援、対話型のオンライン授業、子供主体のプロジェクト活動、個別の学習サポートなどの支援を予定している。

 福山市では、これまで校内での支援や市のフリースクール「かがやき」をはじめとした、不登校の子供ひとりひとりの状況に応じた多様な支援を展開してきた。こうした取組みにより、子供たちが安心して学びを続けられる環境の整備が進められている。しかし、学校や校内外フリースクールなどに行くことができない児童生徒への支援が課題となっていた。

 今回の業務連携により、NIJINアカデミーは学校に通うことが難しい子供たちに対して、メタバース空間を活用した新しい場所の提供や学習などの支援を行う。これにより、自己肯定感を高め、福山市フリースクール「かがやき」への通室や学校への登校を目指しながら社会的スキルの向上を図る。

 NIJINアカデミーによるおもな支援内容は、「メタバース校舎への参加支援」「対話型のオンライン授業」「子供主体のプロジェクト活動」「個別の学習サポート」「心理的サポート」。仮想空間上の「メタバース校舎」に市内の不登校児童生徒がアクセスし、安心できる居場所と学びの場を提供する。オンライン授業は、正解を求める「知識注入型」ではなく、対話を重視した授業で、一方的なレクチャーではなく、意見を言いあい考える力を育む。

 興味・関心からスタートする「自分のプロジェクト」は、子供たちが自由に設計し、大人が「先生」ではなく「伴走者」としてサポートする。個別の学習サポートでは、学校の勉強が不安だったり、集団の授業があわなかったりした子供たちが、自分にあった方法で「わかる!」「できた!」を実感できるように支援する。心理的サポートでは、心理的安全性を最優先したメタバース校舎でのサポートに加え、教育委員会と家庭との連絡体制を整備し、必要に応じてカウンセリングや個別面談も対応するなどの継続的な支援を実施する。

 福山市教育委員会は、NIJINアカデミーとの業務提携により、不登校の子供たちにとってメタバース空間が新しい居場所・学びの場となり、自分に自信をもったり、人とのかかわりの良さを感じたりすることを通して、フリースクール「かがやき」への通室や学校への登校、社会的自立につながることを期待している。

 NIJINアカデミーは2023年9月に開校した不登校小中学生向けのオルタナティブスクールで、全国38以上の都道府県から500名超が入学している。「多層的な心理的安全性」「一流教師による対話的な授業」「子供主体のプロジェクト」をカリキュラムの柱に、学校に行けないことが劣等感・罪悪感にならず、すべての子供が希望を持てる未来を創ることを目指している。学校に代わる学びの選択肢として、希望する生徒の9割以上が在籍校の出席認定を獲得している。

《風巻塔子》

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