文部科学省のあべ俊子大臣は2025年5月9日、記者会見を行った。東京都立川市内の小学校に男性2人が侵入した事件、審議中である給特法改正案の与野党修正案、大型連休明けの児童生徒の自殺・不登校対策などについて語った。
5月8日に東京都立川市内の小学校に男性2人が侵入して教職員に暴行し、逮捕された事件については、「安心して活動できるはずの学校でこのような事案が発生したことは大変遺憾」と発言。引き続き、教育委員会と連携を取りながら児童の心のケアなど必要な対応を随時取っていきたいと述べた。
国会で審議中の給特法改正案で、与野党合意による修正案として教員の平均残業時間を月30時間まで削減する目標を明記するとの一部報道については、「与野党の間で協議されていると承知しておりますので政府としてのお答えは控えさせていただきます」と見解は避けた。そのうえで、「教師の平均時間外在校等時間を2029年度までに月30時間程度に縮減する」などの2024年末の大臣合意での目標に向けた取組みを進めていく方針をあらためて示した。
大型連休明けの児童生徒の自殺や不登校の増加についても言及。「不登校の子供を支援する際には本人の意思を十分に尊重しながら、子供によっては休養が必要なことがあることにも配慮をしていきながら、ひとりひとりにあった支援を行う必要がある」と語り、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置、24時間子供SOSダイヤルの設置などとあわせて、関係省庁と連携しながら子供たちが安心して学べる環境づくりに全力で取り組みたいとした。
このほか、専門職大学20校のうち9校が入学定員充足率70%未満であることに関しては、「少子化により18歳人口が減少していることに加え、専門職大学制度が55年ぶりに創設された新たな大学制度であっていまだに十分認知されてないことも一因の1つ」と分析。実践的な教育内容や実績を積極的に広報していきたい考えを表明した。