文部科学省は2025年4月25日、2023年度(令和5年度)大学等における学生のキャリア形成支援活動の実施状況について調査結果を公表した。単位認定を行うキャリア形成支援活動の実施大学(学部・大学院)は、前回調査より31校増の520校(64.2%)。国公私立別では、国立大学の実施率がもっとも高かった。
調査は2024年6~9月、大学810校(学部783校・大学院661校)、短期大学303校、高等専門学校58校を対象に実施した。調査対象期間は2023年度。回答率98.1%、有効回答数1,149校。
なお、調査における「学生のキャリア形成支援活動」とは、2022年に「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」で整理された「学生のキャリア形成支援に係る産学協働の取組」の4類型のうち、就業体験をともなう「タイプ2:キャリア教育」「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」「タイプ4:高度専門型インターンシップ」に該当するもの。ただし、教育実習や看護実習など、特定の資格取得に関係するものは含まない。
調査は、前回の2021年度(令和3年度)まで「大学・短期大学・高等専門学校におけるインターンシップ実施状況調査」として実施。前回調査までのインターンシップの定義は、今回の調査でインターンシップに該当する「タイプ3」「タイプ4」の実施要件とは異なるという。
単位認定するキャリア形成支援活動を実施している大学(学部・大学院)は520校(64.2%)。前回調査の489校(60.9%)と比較して、31校(3.3%)増加した。国公私立別では、国立大学が89.5%でもっとも実施率が高く、公立大学は57.8%、私立大学は61.7%だった。
単位認定されるキャリア形成支援活動に参加した学生(学部・大学院)は延べ6万282人。前回調査の5万899人から、9,383人増加した。国公私立別では、国立大学の参加率がもっとも高かった。
大学(学部・大学院)におけるキャリア形成支援活動の類型別の実施校数(延べ校数)は、タイプ2が425校(52.5%)、タイプ3が360校(44.4%)、タイプ4が13校(1.6%)。実施形式別の実施校数(延べ校数)は、実地のみ471校(58.1%)、オンラインのみ67校(8.3%)、実地とオンラインの併用213校(26.3%)となった。
学校基本調査分類別でみると、大学(学部・大学院)は「社会科学」、短期大学は「家政」、高等専門学校は「工学」の実施校数が多かった。実施学年別では、学部3年、修士1年、短期大学1年、高等専門学校4年での参加学生が最多。実施時期別では「8月・9月(夏期休暇期間中)」、実施期間別では「1週間~2週間未満」が各学校種とも多い傾向にあった。
報酬支給の有無については、大学(学部・大学院)と短期大学では、受入れ企業などから学生に対して支給されていない場合が多く、高等専門学校では支給されている学生と支給されていない学生が混在している場合が多かった。
一方、単位認定していないが学生のキャリア形成支援活動の参加状況を把握・関与している大学(学部・大学院)は357校(44.1%)。国公私立別では、国立大学79.1%、公立大学42.2%、私立大学39.5%。単位認定するキャリア形成支援活動の実施大学(学部・大学院)と、単位認定はしていないが学生のキャリア形成支援活動への参加状況を把握・関与している大学(学部・大学院)の合計は600校(74.1%)であった。