菅公学生服は、毎月最終火曜日に発信している調査レポート「カンコーホームルーム」Vol.234にて、「学校における熱中症対策」の調査データを公開した。全国の中学・高校の教員1,400人を対象に、生徒の熱中症の発生状況と対策について調査を行った。
総務省消防庁のデータによると、熱中症による救急搬送人員は2008年以降増加しており、2024年には9万7,578人と過去最多を記録した。熱中症は深刻な社会問題となっている。
調査結果によれば、夏の暑さが原因で生徒が授業中や登下校中に体調不良になったことが「ある」と回答した教員は約6割に達した(全体61.1%、中学校64.6%、高校58.0%)。特に中学校では高校に比べて熱中症になる生徒が多く見られた。
熱中症が発生した学校活動は、「屋外での体育授業」(全体60.6%、中学校68.7%、高校52.7%)、「屋外での部活動・クラブ」(全体53.6%、中学校59.5%、高校47.8%)がもっとも多く、続いて「体育館での体育授業」(全体47.0%、中学校50.0%、高校44.1%)、「屋内での部活動・クラブ」(全体36.5%、中学校40.5%、高校32.6%)などがあげられた。また、「登校」(全体36.1%、中学校34.1%、高校38.1%)、「下校」(全体20.4%、中学校19.9%、高校20.8%)などの通学時にも熱中症が発生している。
学校が熱中症対策として生徒に使用を許可しているものは、「帽子」(全体42.0%、中学校56.4%、高校29.5%)、「日傘」(全体39.4%、中学校44.6%、高校34.9%)などの直射日光を遮るアイテムや、「制服の代替えとして、体操服のハーフパンツ」(全体39.1%、中学校55.1%、高校25.2%)、「制服の代替として、体操服の半袖シャツ」(全体36.1%、中学校52.5%、高校21.7%)などがある。高校では「ハンディ扇風機」(全体30.1%、中学校12.6%、高校45.4%)の使用が多く許可されている。
熱中症は地球温暖化の進行とともに、地域や気候条件に関わらず世界中で深刻な健康問題として認識されている。学校では環境省・文部科学省の「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」やスポーツ庁が策定しているガイドラインに基づき、安全な教育環境を確保するため、対策強化が求められている。