ベネッセは2025年9月8日、小中学校向けICT学習ソフト「ミライシード」用の新たな教材として、「オクリンクプラスですぐ使える!企業・団体コラボコンテンツ」の配信を開始したと発表した。現在、11社・団体のラインアップが決定しており、今後随時追加していく。
「企業・団体コラボコンテンツ」は、児童・生徒に広く認知されている各企業が取り組む社会課題や事業内容を題材に、実社会の課題や仕事を身近な「自分ごと」として探求する学びの支援教材。企画の趣旨に賛同した複数の企業・団体からの協力を得て、探究的な学びを実践する教材をベネッセが開発した。
この教材は、全国の公立小中学校の35%を超える1万200校・360万人以上の児童・生徒に活用されている「ミライシード」上で無償配信される(2025年3月時点)。
現代社会はグローバル化や人工知能・AIなどの技術革新の急速な進展により、「考える力」や「問題解決力」、そして「主体的な学び」が必要不可欠なスキルとされている。文部科学省が打ち出す新たな学習指導要領では、子供たちが実社会や実生活の中から問いを見いだして、自分で課題を立て、情報収集し、整理・分析して、まとめ・表現する「探究的な学び」が重視されている。
こうした背景から、先生からベネッセへ「実践的かつ身近なテーマを通して、子供たちに現実の仕事や社会の課題を学んでほしい」「探究学習で企業訪問をしようとしても実現が難しい」という要望や相談が寄せられていた。一方、企業・団体側では、社会貢献活動などから児童・生徒向けの学びのコンテンツを多数蓄積しているものの、専門的な教材制作や広い普及活動を独自に行うことについてはハードルが高い状況だった。
そこで、ベネッセでは、自社の「ミライシード」という教育のプラットフォームを活用して、先生と企業・団体とを結び、実践的かつ使いやすい探究学習コンテンツを提供していきたいと考え、今回の教材開発に至った。
同教材は、各企業・団体が実際に取り組む社会課題や現場での活動を題材にしており、それぞれの教材が学年・教科・単元と紐付けられている教材設計が特徴となっている。授業内の協働学習やディスカッション、プロジェクト学習に適したカード形式の教材に、先生用の指導案が付いた、探究学習コンテンツとして提供する。
児童・生徒は、これらのコンテンツをもとに、「ミライシード」内の協働学習用アプリ「オクリンクプラス」を活用して、発表資料やノートの制作、意見の共有を行いながら、協働作業や、ディスカッション、プロジェクト学習を進めることができる。先生は新たな教材制作の負荷なく、そのまますぐ探究的学びの素材として授業に取り入れることができる。
今回配信するラインアップには、LINEヤフー、東海旅客鉄道、岡山県警察、ZOZO、富士通、UCCジャパン、オハヨー乳業、ジブラルタ生命、トヨタ自動車、三井不動産、野村ホールディングスなどが含まれており、食料生産、自動車工業、キャリア教育、金銭教育、情報モラルなど、幅広いテーマを取り揃えている。
ベネッセは今後も、小中学校のニーズに応じて、有識者や現場の先生からのフィードバックを積極的に取り入れながら、総合や特別活動、算数・数学や社会などの各教科に紐づいた、多種多様なコンテンツを順次公開していく予定としている。