小中学生の情報活用能力を診断・可視化することで、全体的な情報活用能力が成長することが2024年4月10日、国際エデュテイメント協会が実施した「ジョーカツ」第1弾実証プロジェクトの効果レポートから明らかとなった。発達段階によって情報活用能力が高くなる傾向は見られなかった。
「ジョーカツ」は、小中学生のPCやタブレット、インターネット活用を軸とした情報活用能力を診断するツール。第1弾実証プロジェクトでは、国内6地域 （北海道札幌市、宮城県登米市、茨城県那珂市、長野県喬木村、大阪府守口市、大阪府泉南市）の小学5年生～中学3年生を対象に実施。2023年11月～2024年3月31日までの期間中、合計2度の情報活用能力（基本操作スキル、問題解決・探究スキル、情報モラル・セキュリティスキル）の診断を実施した。参加者は約1,300人程度。
取組みの結果、情報活用能力は、1回目の診断に比べ、2回目は「基本操作スキル」が18％向上、「問題解決・探究スキル」が12％向上、「情報モラル・セキュリティスキル」が5％向上。すべての項目で2回目の総合評価が上昇した。
項目別にみると、「問題解決・探究スキル」は、1回目の診断に比べ、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」「振り返り・改善」のすべてで2回目のスコアが12％～16％向上。発達段階によって情報活用能力が高くなるという傾向は見られなかった。
また、「基本操作スキル」「情報モラル・セキュリティスキル」についても、2回目のスコアが高く、同様の結果が得られた。
スキルと情報活用能力との関係をみると、「自分の考えやまとめを表現する場」での端末活用を積極的に行っている学年ほど、「問題解決・探究スキル」「情報の収集スキル」「まとめ・表現スキル」「課題の設定」スコアが高い傾向にあった。
プロジェクトでは、情報活用能力の診断を実施し、それぞれの項目を可視化している。児童生徒自身は、どの部分を強化すれば良いかがわかり、担当する教員は指導方針が明確となることで、結果的に全体的な情報活用能力の成長につながったと考えられる。
国際エデュテイメント協会では、第2弾の実証プロジェクトの参加自治体を募集している。費用は無償（場合によって補助金制度を活用する可能性あり）。実証期間は2024年6月～2025年3月（予定）、対象学年は小学5年生～中学3年生で、人数に制限はない。募集内容の詳細は、国際エデュテイメント協会の問い合わせフォームから問い合わせる。
