同志社大学と西日本電信電話（NTT西日本）、NTT EDXは2023年11月16日、教育・学習活動への生成AI活用実証事業を連携して実施し、学生や教職員らを対象とした新たな「教えと学び」の仕組みづくりに取り組むと発表した。
同志社大学とNTT西日本、NTT EDXは、教育・学習活動への生成AI活用実証事業をスタートする。高等教育機関における学生個別の学習ニーズに最適化された学習環境を提供する仕組みを構築し、生成AIを効果的に利活用できる学習のあり方の確立を目指すという。
同志社大学では、全学部の学生を対象とした全学共通教養教育科目として、2022年度から「同志社データサイエンス・AI教育プログラム（DDASH）」を開始した。これにより、生成AIなどの革新的情報化技術を正しく理解し、利活用できる人物の育成に取り組んでいる。
今回の実証事業では、DDASHの授業科目において、教育・学習向けの生成AI利用環境を整え、新たな教えと学びの仕組みを生み出す。生成AI利活用として、学生への学習支援では、予習時の教科書の要約や、復習時の設問作成・キーワード抽出などを行う。教職員の教育支援では、課題・小テストの作成・評価補助、生成AI学生利用ログに基づく講義見直しなどを行う。また、生成AIの回答を電子教科書・電子教材に限定した利用検証や、生成AIの仕組みを学習向けにチューニングするノウハウの展開を行うとしている。
生成AIは、AIモデルをセキュアな環境で利用できる「Azure OpenAI Service」を採用。電子教科書は、NTT EDXの電子教科書配信サービス「EDX UniText」にて提供する。生成AIと電子教科書は親和性が高く、効果的で利便性の高い学習環境を提供するとともに、学習状況を可視化することも可能。電子教科書を生成AIの学習源として利用することで、生成AIが返す回答の正確性を検証し、AIを活用する学習環境の信頼性を高めるという。
今後は、学生の学習効果、教員の教育支援の有効性を検証し、同志社大学ではDDASH以外の授業科目への展開、特に生成AIが効果的に機能する授業などでの利活用の検討を進める予定。NTT西日本・NTT EDXは教育分野の進展のために、商品化を視野にAIの有効な活用・展開・普及活動に継続的に取り組む予定としている。
