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独自の指標で段階的にICT活用を推進、埼玉県戸田市の教育改革

 GIGAスクール構想が始まる4年前にICT環境整備に力を入れ始めた埼玉県戸田市は、教師の動きの中で自然に使いやすいエプソンのプロジェクター型電子黒板を導入するなど、ICTを活用した教育改革を行っている。

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独自の指標で段階的にICT活用を推進、埼玉県戸田市の教育改革
  • 独自の指標で段階的にICT活用を推進、埼玉県戸田市の教育改革
  • 戸田市版SAMRモデル(ICT活用の指標)

 埼玉県戸田市はGIGAスクール構想が始まる4年前の2016年、近い将来1人1台端末で学ぶ時代が来ることを見据えて端末とセットでネットワーク環境を整備するなど、ICT環境整備に力を入れ始めた。当時の公立学校としては珍しいChromebookを導入し、産官学で連携しながら、ICT教育や教育DXの分野で先進的な実践を続けている。

 変化の激しい時代を生きる児童生徒たちは、自分で課題を見つけ、自分で学び、他者と共創しながら解決できる力が求められることから、当初から児童生徒が協働しながら学びを深められる教室づくりを重視。また、ICTが当たり前に使えることも児童生徒にとって重要なことと位置付け、早期からICT環境整備に着手した。教師主導の授業から児童生徒主体の授業へと学びの転換を計り、児童生徒が主体的に学べる教育や学習環境を目指して戸田市の教育改革が始まった。

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教師の動きの中で自然に使いやすいプロジェクター型電子黒板を導入

 児童生徒が主体的・協働的に学ぶ授業を実現するためには、ひとりひとりが考えていることを見えるようにすることが大切だった。そこで、1人1台端末の整備にあわせて導入したのがエプソンのプロジェクター型電子黒板だ。エプソンのプロジェクター型電子黒板を選んだ理由は、教師の動きの中で自然に使いやすいインターフェイスだったから。既存の黒板を広く使って書き込みがしやすく、双方向性も活性化しやすいなど、デジタルとアナログ、両方のメリットが生かせる点が評価された。

 プロジェクター型電子黒板導入後は、デジタル教科書や資料を大きく表示し、視覚的にわかりやすく説明できるようになっただけでなく、児童生徒の意見をリアルタイムに共有・集約できるようになった。児童生徒は友達の意見を参考にしながら自分の考えを深め、教師が適切な声掛けや支援をするなど、できることが広がった。

 黒板と大型テレビを併用していたときは、児童生徒の視線があちこちに散乱し、どこを見て良いかわからない子供もいたという。プロジェクター型電子黒板を活用したことで、授業の課題提示や資料の提示、発表から振返りまで、すべての情報を1つの黒板に表示できるようになった。

 実際に電子黒板を利用している教師たちからは、「とにかく児童生徒が前を向いて、しっかりと見るようになった」「集中力が高まった」という声が多く寄せられている。また、「発達に特性のある児童生徒の中には、目に映る情報が増えると集中力を欠いてしまう子もいたが、今は首を左右に振らず、情報を見せられるようになった」という声もあがっている。1か所にまとめられるのはプロジェクター型電子黒板を活用した授業の大きなメリットだ。

 さらに、教師が板書する時間が減った分、児童生徒たちが話し合いをする時間が増えたというメリットもあった。授業が変化し、1人1台端末の効果も高まっているという。戸田市ではプロジェクター型電子黒板がこれからの学びの環境に欠かせないツールとして、大切な役割を担っている。

独自の指標で段階的にICT活用を推進

 戸田市では、授業におけるICT活用の指標として独自の「戸田市版SAMRモデル」を作成。段階的にICT活用を進める中で、教師たちや児童生徒が自発的にICTを使うようになっていったという。教育委員会が毎年発表する「指導の重点・主な施策」では、現在SAMRモデルのどの段階に位置していて、次にどのような目標を目指すのかが明確に示されている。

戸田市版SAMRモデル(ICT活用の指標) 画像出典:2022年度(令和4年度)教育政策室「指導の重点・主な施策」

 現在ではICT教育の先進自治体として知られるようになり全国各地から多くの視察や教育関係者が訪れている戸田市だが、実際にICT活用を広げるためにはかなりの時間を要したという。ICT環境整備に注力し始めた当初は、「ICTを使うことで授業準備に負担がかかる」「教師がICTを教えなければいけないというプレッシャー」など、ネガティブな意見も多くあり、教師たちのICTに対するハードルは高かったようだ。

 そこで、戸田市は教師たちがICTの必要性を実感し、授業で使ってみようと思えるようになるために時間をかけることに取り組んだ。「とりあえず使ってみる」からスタートし、ICTのメリットや便利さを教師が試行錯誤しながら実感できる段階を重視。教師が学習内容や教材を考えて授業で実践できるよう、各学校の推進リーダーに協力を求めながら取組みを進めてきた。具体的には、教師たちがICTの必要性を実感できるようにすることや、新たな学びづくりに関する研修の充実、サポート体制の充実などを行った。

ICT活用を広めるための戸田市の取組みとは?エプソン販売のWebサイトからダウンロード

 エプソン販売のWebサイトでは、この記事で紹介した埼玉県戸田市が、具体的にどのようにしてICT活用を進めていったのかを詳しく紹介している。また、実際の小・中学校でのプロジェクター型電子黒板を活用した授業事例集もダウンロードできる。

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《外岡紘代》

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