埼玉県戸田市の中学校に少年が侵入して教員を切りつけた事件を受け、文部科学省は2023年3月17日、不審者の学校侵入防止対策の強化について各教育委員会等に事務連絡を出した。防犯カメラやオートロックシステム等の設置を促進するため、2023年度から2025年度まで集中的に支援する。
3月17日開催の犯罪対策閣僚会議において、文部科学省の永岡桂子大臣が、不審者の学校侵入防止対策強化について発言した。埼玉県戸田市の中学校では3月1日、侵入した少年により教員が負傷する事件が発生している。
文部科学省は、不審者の学校侵入を防ぐためには、登下校時以外の校門の施錠と来校者管理の徹底が必要であるとして、危機管理マニュアルの総点検とあわせて、2023年度(令和5年度)から2025年度(令和7年度)までの間、防犯カメラ・オートロックシステム・非常通報装置等の整備について集中的な支援を行う。
校門等の施錠管理を支援するオートロックシステム等の整備については、国の補助事業を3分の1から2分の1に拡充。あわせて地方財政措置も拡充する。補助下限額は、400万円から100万円に引き下げる。
不審者の学校侵入防止対策の強化には、警察直通の非常通報装置の効果的な活用、教職員等の対応能力の強化、地域ぐるみの学校防犯活動強化、警察署等に配置されるスクールサポーターとの連携、学校・警察連絡員の指定の徹底と情報共有体制の整備もあげている。
各教育委員会等に対して3月17日に発出した事務連絡では、各学校の設置者に危機管理マニュアルの総点検を要請。防犯カメラ・オートロックシステム・非常通報装置等の整備については、拡充する国の補助事業を活用してほしいと周知している。
文部科学省では、「不審者の侵入を許さず、子供たちが安心して学校で学べるよう、学校安全を一層推進してまいります」としている。