2025年4月23日から25日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された国内最大級の教育総合展「EDIX東京2025」。会場には多くのGIGA2.0端末や校務DXを推進する教員用PCが展示され、来場者が思い思いに体験するようすが見られた。
ASUS JAPANは、教育現場のリアルなニーズに応えた設計と、次世代型の学びを見据えた先進性を兼ね備えたGIGA端末を展示。EDIX会場で、ASUS JAPAN システムビジネスグループ マーケティング部 部長のCynthia Teng（シンシア テン）氏に、全国の学校へGIGA端末を届けるASUSの教育への思いと、使いやすさを徹底的に追求した最新Windows端末の魅力について聞いた。
ASUSの学習者用Windows端末
学びを止めない頑丈さを追求したASUSのGIGA端末
新型コロナウイルスの影響により急遽、前倒しで実施されたGIGAスクール構想。当時、多くの自治体や教育機関は、1人1台端末の環境を早急に整えるため、端末の性能や現場への適合性よりも、価格と納期が導入の決め手となるケースが少なくなかった。そのような中、ASUSは「学びを止めない」ためのツールとして、教育現場に本当に必要とされるGIGA端末とは何かを、常に問い続けてきたという。
GIGA1.0を経て、さまざまな課題が浮かびあがった。「授業中に端末がフリーズする」「机から落として壊れた」「キーボードに水をこぼして故障した」「端末が重くて持ち運びに不便」「カメラの画質が悪い」など、学校現場から寄せられた声をASUSは真摯に受け止め、製品開発チームがひとつひとつの課題に丁寧に向きあい、改良を重ねてきた。
子供たちの行動を起点にした設計
子供たちが使うGIGA端末では、本体を落とす、ぶつける、鉛筆を置いたままPCをたたむといった、通常は想定しにくいケースも日常的に発生したという。そこで、ASUSが子供たちの使用環境を徹底的にシミュレーションする中で生まれたのが、本体全面をゴム製バンパーでカバーした筐体だ。子供たちが端末を乗せたまま机を動かしても落下しないように設計されている。
シンシア氏は、「ASUSのGIGA2.0端末は、教育現場で求められるより高い堅牢性と耐久性を実現しました」と語る。EDIX内にある同社ブースで行われていた品質テストの実演では、「落下防止」「衝撃耐久」「面加圧」「液晶圧力」の4つのテストを公開。机を斜めに倒しても滑り落ちない、大人の胸ほどの高さから落としても壊れず、ペンを挟んだままPCを力強くたたんでも画面に傷ひとつ付かない。実際に目の前で見るASUS端末の堅牢性は、同社の「現場視点のものづくり」を物語る信頼性の高いものだった。
シンシア氏は、「全国の先生方からいただくフィードバックは、私たちの製品開発の原動力です。利活用をどんどん進めるフェーズに入ったGIGA2.0だからこそ、製品の故障や不具合などで学びを止めることなく、ストレスなく学習に使っていただける端末を提供することがまずは大前提だと考えています」とGIGA端末の開発にかける思いを語った。
教育現場で本当に使える、壊れず使いやすいASUSのWindows端末
ASUSが展開するWindows端末には、「教育現場で本当に使えるものを」という視点から導き出された、数々の設計思想と技術的工夫が込められている。そのひとつが、スタイラスペンの利便性だ。GIGA2.0では整備が必須となったスタイラスペン。ASUSのWindows端末はすべての機種に高精度スタイラスペンを搭載し、PC本体に内蔵することで充電できる設計となっている。わずか15秒の急速充電で最大45分使用することができるため、休み時間に本体に収納しておくだけで充電切れの心配もない。本体から取り出しやすいよう、小さなつまみが付いている点もポイントだ。
こうした実用性の高さも、以前のモデルで「ペンが取り外しにくい」「充電が面倒」「ペンを紛失してしまう」という現場からの不満の声に真摯に向きあった結果である。2025年6月以降には、子供たちが普段使う鉛筆でもスタイラスペンのように液晶に書き込める「ペンシルライティング機能」が搭載される予定だ。
ほかにも、これまでに寄せられた現場からの声を参考に、ヒンジの設計や液晶、筐体の堅牢性を強化してきた。キーボードには防滴加工が施され、最大405ccの液体をこぼしても本体が損傷することなく使用できる構造となっている。ヒンジ部分が360度回転するコンバーチブルタイプのため、ノートPCモードとタブレットモードを自由に切り替えることが可能。プレゼンテーションや共同作業、クラスメイトとのコンテンツ共有など、文部科学省が目指す「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、多様化する授業スタイルにも柔軟に対応できる。
今後は、ペンシルライティング機能に加え、ビデオ通話をする際などに使用するインカメラをより高精細な画質にすることや、YouTubeの音声録音にも対応予定。ASUSが提供するGIGA端末は、歩みを止めることなく、教育市場で選ばれる端末へと進化を続けている。
シンシア氏は、「実際に学校現場からは、『液晶を回転させて使いたい』『インカメラの画質を良くしたい』『タブレット型にしたときに写真を撮りやすくしたい』など、さまざまな要望が寄せられます。ASUSでは、可能な限り制限なく自由に使える端末を提供したい。そのために課題に真摯に向きあっています」と話す。
端末の耐久性についても、ASUSは一切の妥協を許さない。筐体は全周ラバーガード構造を採用し、米国軍事規格のMIL規格を満たすよう設計。さらに、120cmからの落下テストや5万回にのぼるヒンジの開閉、50kgの面加圧、5万回のひねり試験など、全教育モデルの中でも最多レベルの28項目の耐久テストを繰り返し、どのような使用環境でも「壊れずに使える」製品を提供している。
“選べる”を標準に…児童生徒用Windows端末「ASUS BRシリーズ」
ASUSが展開するGIGA2.0の児童生徒用Windows端末は、コンバーチブルタイプの12.2インチノートPC「ASUS BR1204F」と、11.6インチ「ASUS BR1104F」の2モデル。「共通筐体・共通マザーボード」という設計をベースに、2種類の画面サイズをラインアップしている。本体サイズや内部構造、部品を同一にしたことで、画面サイズだけでなく、CPU・メモリ・ストレージ・スタイラスペンや無線LANの有無など、学校側が予算や用途にあわせて自由にカスタマイズできる仕組みになっている。
「共通化」によるメリットは、導入コストの最適化だけではない。端末の一括管理や不具合時の部品交換、予備端末の活用など、現場の運用が圧倒的にスムーズになる。「同じ設計にすることで、現場への納品や対応スピードが格段に上がりました。他社にはないASUS独自のやり方であり、コストを抑えつつ選択肢を広げる大きなメリットになっています」とシンシア氏は語る。
ASUS BR1204F
授業の多様化に対応するスペックと機能
それぞれの基本スペックを見ても、学習現場に最適化された設計が随所に見られる。CPUにはインテル プロセッサーN150／N200／N250を搭載、メインメモリは8GB／16GB、Wi-Fiモデルのほか、Wi-Fi＋4G LTE対応モデルから選択できる。ストレージは128GB UFSと大容量の高速タイプを搭載。広範囲で増え続ける学習データを管理するのに適した大容量のストレージを備えた。OSは、ASUS BR1204F／BR1104Fともに、Windows 11 Proの機能に加え、教育環境で利用しやすい機能を備えた「Windows 11 Pro Education」を採用している。
子供たちがよく使うカメラ機能にもASUSのこだわりが光る。オンライン授業などで使えるインカメラと、キーボードすぐ上にあるアウトカメラの2種類を搭載。「子供たちの持ちやすさや操作しやすさを重視し、丁寧に設計しました」とシンシア氏が話すように、アウトカメラはタブレットモードにした際に撮影できる位置に配置されており、子供でも持ちやすく写真が撮影しやすいよう配慮されている。
さらに、外部機器と接続するためのインターフェースも充実。ASUS BR1204F／BR1104Fともに、高速データ転送に対応するType-Cポートに加え、左右で合計2つのUSB Type-Aポート、HDMI、有線LANポートと、さまざまな機器に簡単に接続できる。ディスプレイ背面に内蔵されたインジケーターは児童生徒のネットワーク接続状況を一目で確認するのに便利だ。
なお、液晶ディスプレイには、強化ガラスとして定評のあるCorning Gorilla Glassを採用している。
自損故障にも対応する手厚い保証と、応答率98%のサポート体制
こうした端末設計に加え、導入後も安心して使えるようサポートサービス「あんしん保証」も用意。メーカー保証対象の自然故障だけでなく、対象とならない自損故障にも保証の範囲を広げ、無料プランであれば購入から1年間に限り1回のみ、修理費用の自己負担額を最小限に抑えることができる。学校などの法人向けオプションプラン「あんしん保証プレミアム」は、最長6年まで保証期間を延長でき、水没や落下といった自損故障だけでなくバッテリー交換にも対応する（1年間で1回のみ）。
さらに、ASUSではGIGAスクール専用のサポート体制を整備。出荷前に日本国内で全品検査を行い、初期不良率を極限まで低減したうえで納品するほか、国内2か所に設置された修理センターと365日対応のGIGA専用コールセンターにより、導入後も万全のフォローが受けられる。コールセンターの応答率は98.2%と非常に高く、「故障しない製品づくりがASUSの強みですが、万が一不具合が発生した場合でも、お待たせすることなく迅速に対応することで、学びを止めるリスクを大幅に低減できると考えています」と、シンシア氏は語る。
ASUSの教職員用Windows端末
AIと共に進化するCopilot+ PC「ASUS ExpertBook P5 （P5405CSA）」の実力
校務DXを進める鍵となるのが「教員用端末」の選定だ。Copilot+ PCは、単なる高性能ノートPCではなく、AIを活用して教員の校務を支援する、“次世代の教育インフラ”として注目を集めている。
ASUSは、Copilot+ PCとして「ASUS ExpertBook P5 （P5405CSA）」を展開。ASUS独自の「AI Expert Meet」機能を搭載し、AIによる会議の議事録生成、翻訳字幕表示、ノイズキャンセリング、AIカメラ補正など、教職員のミーティングや研修、リモート授業を支える多彩な機能を備えている。すべての処理はPC本体内で完結するため、セキュリティ面でも安心して利用できる。さらに、顔認証と指紋認証の両方に対応しており、PCを開くだけで即座にログインでき、授業中にストレスなく利用を開始できる。
現在、教育現場においてCopilot+ PCの導入は始まったばかりだ。しかし、生成AIの活用は教育現場でも急速に確実に広がっていくと予想される。生成AIの活用により、授業設計の補助、校務書類の自動生成、児童生徒の学習ログの分析など、教員の業務は大きく変わっていくだろう。
ASUS ExpertBook P5 （P5405CSA）はそのスタートラインに立つのに最適なモデルといえる。前世代のCPUと比べて最大3倍のAI処理性能をもつインテルCore Ultraプロセッサー（シリーズ2）を搭載し、さらにCPU、GPU、NPUを統合したことで高いAI処理性能を実現。メモリは最大32GB、ストレージは最大1TBと、AIの使用や日常業務をスムーズに快適にこなすことができる性能を備えている。約1.27kgと持ち運びにも適したサイズでありながら、GIGA端末と同水準の米国国防省制定のMIL規格に準拠した堅牢性も兼ね備えている。
次のステージに向けたGIGA端末選び
GIGA2.0を迎え、教育現場で求められる端末は価格重視から「タフで、柔軟で、未来を見据えた」スペック重視のものへと進化している。教育現場でICT環境が本格的に整備される中、Windows端末を選ぶメリットは大きい。国内シェアが高く、企業や大学などでも広く使用されていることから、児童生徒が将来的に社会で使うスキルをそのまま育てられる環境を重視して導入する自治体も少なくない。
また、Microsoft 365との親和性が高い点も重要だ。WordやExcel、PowerPointをはじめとしたツールが標準で使え、Teamsを活用した連絡や授業運営にもスムーズに対応できる。さらに、学校独自に開発された教育アプリや、既存の校務システムとの互換性にも優れており、全体のICT環境との統一感をもたせやすい。
EDIX東京のASUSブースでは、豊富な実機を前にしながらNEXT GIGAを見据えた最適解を模索する真剣な来場者の姿が多く見られた。細かいカスタマイズに対応しており、どんな学校にも「ちょうど良い1台」が見つかる、それこそがASUSのWindows端末が教育市場で選ばれ続ける理由ではないだろうか。
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