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【高校受験2024】東京都立高入試、検討委員会報告書

 東京都教育委員会は2023年9月28日、2024年度(令和6年度)東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書を取りまとめ公表した。新型コロナの5類移行を踏まえた対応や合否判定業務の改善、多様な生徒の進学希望に対応した応募資格の見直しなどについて検証している。

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2024年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告について
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  • 報告書・目次

 東京都教育委員会は2023年9月28日、2024年度(令和6年度)東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書を取りまとめ公表した。新型コロナの5類移行を踏まえた対応や合否判定業務の改善、多様な生徒の進学希望に対応した応募資格の見直しなどについて検証している。

 報告書は、東京都教育委員会が2023年5月に設置した「令和6年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」が、4回の会議で検証してきた2024年度入学者選抜以降の改善策などについて取りまとめたもの。全58ページのPDFファイルで、Webサイトからダウンロードできる。

 新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行を踏まえたおもな対応として、学力検査に基づく選抜では、検査間の休憩時間については、トイレの利用人数を制限していたことから、これまで30分としていたが、2021年度以前の選抜と同様に20分間に戻す方向で進める。検査教室の定員は、これまでの30人から40人に戻す方向で進める。

 推薦に基づく選抜の集団討論は、必要と判断した学校で実施できるよう変更。文化・スポーツ等特別推薦では、受検者同士の接触をともなう検査を可能とし、コロナ禍において学校生活を送った受検者の実情に鑑み、出願の基準に大会の実績や、資格・検定試験などの成績に関わる内容を含めず、「実績等を証明する書類等の写し」の提出も求めない対応を継続する方向で進める。

 中学校英語スピーキングテストについては、志願者と中学校が円滑に事務手続きをできるように、都立高校提出用のスコアレポートの原本を高校へ送付することなどを実施要綱・同細目に明記する方針。またスコアレポートの氏名と入学願書などの氏名が異なる場合への対応について、2023年度は任意様式で同一人物であることを証明する書類を提出としていたが、より効率的に証明ができる方法を検討し、事務手続を簡略化する方向で進める。

 都内在住者で都外の中学校などに在学している者の応募資格については、保護者の一方とのみ同居する場合または、保護者の両方と同居しない場合は、受検者の在学する中学校長がその事情を勘案し、やむを得ないと判断した場合は応募資格があることを確認するとともに、その事情について具申書を作成のうえ、志願する都立高等学校長に提出することで応募資格を認める方向で整理する。

 海外帰国生徒対象の9月入学生徒の選抜における応募資格については、必ずしも帰国の時期と、入学者選抜の時期を合わせることができないという個々の事情があることを鑑み、外国における学校教育の10年の課程を修了した者にも応募資格を認める方向で整理する。

 不登校経験のある生徒や日本語指導が必要な日本国籍の生徒については、現行の都立高入試の検証を行うとともに、選抜方法のあり方などについては同委員会に特別部会を設置し、関係者から意見を求めるとともに、2025年度(令和7年度)以降の入学者選抜に向けて引き続き検討する。

 2024年度入試は、男女合同選抜への移行やインターネット出願の拡充など、変更点も多い。改善の趣旨や変更点については、2024年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目にて詳細を確認できる。

《川端珠紀》

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