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中高生の英語力、地域差が目立つ…文科省調査

 文部科学省は2023年5月17日、2022年度「英語教育実施状況調査」の結果を公表した。CEFR A1レベル(英検3級)相当以上の中学生は49.2%。高校生はCEFR A2レベル(英検準2級)相当以上48.7%、CEFR B1レベル(英検2級)相当以上は21.2%だった。

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高校生の英語力
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  • 中学生の英語力(都道府県・指定都市別)
  • 高校生の英語力(都道府県・指定都市別)
  • CEFR B1レベル相当以上の英語力を有する生徒の割合が平均より高い学校の傾向(高等学校)

 文部科学省は2023年5月17日、2022年度「英語教育実施状況調査」の結果を公表した。CEFR A1レベル(英検3級)相当以上の中学生は49.2%。高校生はCEFR A2レベル(英検準2級)相当以上48.7%、CEFR B1レベル(英検2級)相当以上は21.2%だった。

 「英語教育実施状況調査」は、英語教育の充実や改善に向けた具体的な施策の現状調査。各都道府県・市区町村の教育委員会と公立小・中・高校を対象に、2013年より毎年実施(2020年は中止)している。2022年度の調査学校数は小学校1万8,702校、中学校9,208校、高等学校3,280校。基準日は2022年12月1日。

 中学生の英語力は、CEFR A1レベル(英検3級)相当以上が、前年度比2.2ポイント増の49.2%と改善が進んだ。都道府県・指定都市別でみると地域差が大きく、「さいたま市」86.6%、「福井県」86.4%等で割合が多い一方、「島根県」34.1%、「鳥取県」34.6%、「愛知県」35.2%等、12地域で4割に満たなかった。

 高校生の英語力は、CEFR A2レベル(英検準2級)相当以上が、前年度比2.6ポイント増の48.7%と改善。都道府県・指定都市別でみると、「福井県」60.8%、「富山県」60.5%で6割を超えた。一方、「宮城県」「福島県」「鹿児島県」では4割に満たなかった。

 今回より新たにCEFR B1レベル(英検2級)相当以上の割合を調査したところ、全国平均は21.2%だった。都道府県・指定都市別では、「東京都」30.8%がもっとも多く、ついで「愛媛県」26.9%、「富山県」26.7%、「神奈川県」26.2%。CEFR B1レベル相当以上の生徒が多い高校では、ICTを活用した言語活動やALTによる授業外の活動を行っている学校が高い割合でみられた。

 小学校の英語教育は、学級担任が行っている状況が多かったが、学級担任以外の専科教師等の活用も一定の割合でみられた。小学校教師のうち中・高校英語免許を所有している割合は6.9%であった。

 今後、文部科学省では2023年度全国学力・学習状況調査等の結果もあわせて、英語教育の改善・充実に向けて、さらに分析等を行う予定。

《川端珠紀》

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