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英会話学習サービス「スタディポケットAI英会話」2026年4月提供…先行トライアル校募集

 スタディポケットは、生成AI技術を活用した新しい英会話学習サービス「スタディポケットAI英会話」を2026年4月より正式にリリースすると発表した。開発にあたって先行トライアルを実施したところ、多くの生徒がポジティブな変化を実感していることが明らかになったという。

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スタディポケットAI英会話
  • スタディポケットAI英会話
  • 「フリートークモード」では学習者の好きな話題ですぐに会話をスタートできる
  • 「フリートークモード」で「お互いの部活動」というテーマを入力してスタートした例
  • 対話相手AIの性別や英語の難易度調整、話すスピードなど細かい調整も可能
  • 「カスタムモード」の開始前画面
  • 事前の指示通りにAIが会話を展開
  • 一定回数、会話が往復すると、生徒の発話をAIが自動解析してフィードバックを行う
  • AIから会話について「よかったところ」「文法/表現」「プラスアルファの英語表現提案」といったフィードバックを受けられる

 スタディポケットは、生成AI技術を活用した新しい英会話学習サービス「スタディポケットAI英会話」を2026年4月より正式にリリースすると発表した。開発にあたって、高知県教育委員会の協力のもと、先行トライアルを実施したところ、多くの生徒がポジティブな変化を実感していることが明らかになったという。

 「スタディポケットAI英会話」は、小中高生を中心に、学校や家庭での英語学習をより効果的かつ主体的に行えることを目的に開発された。生成AIを用いて、個々の学習レベルや興味関心にあわせたリアルな英会話体験を提供することで、従来の教科書や決まった会話例だけでは得られない「実践的な英語力」を育成する。

 サービスの特徴は、個別最適化されたやさしい英会話練習にある。学習者のレベルや好みに応じて、AIが会話シナリオを生成する「フリートークモード」では、自然な会話になることや、自分の興味のある話題で練習できるため、毎日の学習が飽きずに続けられる。途中で詰まったり、適切な英文法が使えていなくても、自然に誘導して会話が進行する。

 また、教員が作成した英会話シナリオなどに沿って、生徒が学習できる「カスタムモード」も提供。適切なプロンプト文面をかける教員が指導した授業実践では、さまざまなシチュエーションに沿った英会話を再現することができる。

 対話相手AIの性別や英語の難易度調整、話すスピードなど細かい調整も可能で、過去の会話履歴も記録されており、復習に利用したり会話を再開することもできる。

 フィードバック機能では、英語表現や談話展開の内容に応じて、個別のフィードバックをAIが生成。良かった点を褒めたり、より良い英語表現・言い換えについてアドバイスを受けることができる。また、自分の発音を振り返ることができる。一定回数、会話が往復すると、生徒の発話をAIが自動解析してフィードバックを行う。

 同サービスは、Webブラウザで利用可能で、学校や家庭で追加の教材やデバイス準備なしにスタートが可能だ。

 先行トライアルでは、生徒166名(おもに中学校1~3年生)からのフィードバックを得た。アンケート結果からは、英語を話すことへの心理的な抵抗が軽減され、学習に対するポジティブな意識が向上していることが定量・定性的に確認されている。

 「また使ってみたいと思いますか?」という質問に対し、「ぜひ使いたい/たまには使いたい」と回答した生徒は157件(94.58%)、「これから英語を話すことに自信がつきそうですか?」には「とてもそう思う/すこしそう思う」が145件(87.35%)、「これから英語を話すことが好きになりそうですか?」には「とてもそう思う/すこしそう思う」が137件(82.53%)となった。

 生徒からは「人間に対して話すと緊張してしまうけどAIに対してだと、緊張せずに話せてよかった」「初めて英会話に楽しさを見い出せた。緊張しないという点はもちろん、相手から質問してくれるので基礎の向上や底上げにとても適したアプリだと思う」「間違えても大丈夫なんだと安心して会話ができた」といったコメントが寄せられた。

 同サービスは、独自の特許技術による低コスト・高速化を実現している。従来のAI英会話アプリの多くは、1か月あたり1,500円を超えるなど、公立学校の学校予算では導入しづらい価格となっていた。「スタディポケットAI英会話」は、キャッシュ化など独自の特許技術により、低コストかつ高速な音声付き会話を実現している。

 一般的に、汎用的な大規模言語モデル(LLM)を使用してテキストデータから音声データを生成する場合、特にコストが高くなるという課題がある。今回のサービスに適用される特許では、この課題を解決するため、「ユーザーの音声データを文字列データに変換し、LLMにより返答の文字列データを生成する」「生成された文字列データと同一の文字列が、事前に音声データがタグ付けされて記憶された返答データベース内に存在するかを探索する(キャッシュ機能)」「データベース内に存在した場合、そのタグ付けされた既存の第1返答音声データを取得・出力する」「存在しない場合のみ、LLMにより第2返答音声データを生成する」という会話生成の仕組みを採用している。

 この仕組みにより、LLMによる高コストな音声生成の回数を減らし、安価で提供可能な会話生成サービスを実現している。また、生成された第2返答音声データはデータベースに登録され、再利用されることで、継続的なコスト削減に貢献する。

 これにより、従来価格の約70%以上のコスト削減が期待できることから、公立学校での教材費でも検討可能な価格帯での提供を想定している。実際の価格は、導入ボリューム数や活用頻度に応じた個別の見積りによって対応する。

 同機能の正式提供(2026年4月)に先立って、2026年1月21日から3月16日の期間のトライアル学校を先着15校程度、募集する(設置者が自治体の場合、モデル校を2学校まで指定)。既存のスタディポケット契約ユーザーおよび今後の新規契約者に対しては、追加費用なしで、回数制限のある「体験版」を提供開始する。

 体験版は月60往復の利用制限あり(月に1~2回の英語指導において利用が可能)、製品版ライトプランは月200回以上の利用が可能(週2~3回の英語指導において利用が可能)、製品版プロプランは月600回以上の利用が可能(毎日の英語指導、自宅学習において利用が可能)となっている。

 なお、詳細については、2025年12月4日開催の「スタディポケット カンファレンス 2025 冬」内で発表する予定だ。カンファレンスはZoomウェビナー形式で実施。現在、教育関係者を対象に申込受付中。

◆スタディポケットカンファレンス 2025 冬
日時:2025年12月4日(木)16:00~18:15
形式:オンライン(Zoomウェビナー)
参加費:無料(要事前申込)
定員:500名(先着順) 
対象:学校・教育委員会関係者、塾・教育産業関係者、自治体、官公庁/省庁、教育関連企業、パートナー企業、保護者、学生・教職課程の人など
申込方法:イベント特設ページの申込フォームより

《吹野准》

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