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誰一人取り残さない「COCOLOプラン」増加する不登校対策

 文部科学省は2023年3月31日、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を取りまとめ、Webサイトに公表した。あわせて各自治体や教育委員会、学校設置者に対し通知を発出し、プランを踏まえた速やかな不登校対策の推進を求めている。

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誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)
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  • 誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)概要

 文部科学省は2023年3月31日、永岡文部科学大臣のもと「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を取りまとめ、Webサイトに公表した。あわせて各自治体や教育委員会、学校設置者に対し通知を発出し、プランを踏まえた速やかな不登校対策の推進を求めている。

 令和3年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、小中学校の不登校が約24.5万人、高校をあわせると約30万人と過去最高になり、90日以上の不登校であるにもかかわらず学校内外の専門機関等で相談・指導等を受けていない小中学生が4.6万人にのぼる等、生徒指導上の喫緊の課題となっている。

 文部科学省は、不登校により学びにアクセスできない子供たちをゼロにすることを目指し、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を取りまとめた。COCOLOプランでは、「1.不登校の児童生徒すべての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整えること」「2.心の小さなSOSを見逃さず、『チーム学校』で支援する」「3.学校の風土の『見える化』を通じて、学校を『みんなが安心して学べる』場所にする」の3つをおもな取組みとし、誰一人取り残されない学びの保証を社会全体で実現することを目指す。

 取組み1では、仮に不登校になったとしても、小中高等を通じて学びたいと思ったときに多様な学びにつながることができるよう、個々のニーズに応じた受け皿を整備。具体的には、不登校特例校の全国300校設置(分教室型含む)や、落ち着いた空間で学習・生活できる校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)の設置促進、教育支援センターの機能強化、高校等における柔軟で質の高い学びの保障等に取り組み、義務教育から高校まで学びを続けて卒業することができるような学び方・環境を整備する。

 また、取組み2では、GIGAスクール構想下で整備された1人1台端末を活用し、小さなSOSに早期に気付く体制を構築するとともに、不登校の保護者も1人で悩みを抱えないよう支援する。

 取組み3では、学校の風土と欠席日数には関連を示すデータがあることから、学校の風土を「見える化」して関係者が共通認識をもって取り組み、学校を安心して学べる場所にするよう、学校の風土を「見える化」するためのツールを整理し全国へ提示する他、学校で過ごす時間の中でもっとも長い「授業」の改善、いじめ等の問題行動に対する毅然とした対応の徹底、児童生徒が主体的に参画した校則等の見直しの推進等を掲げている。

 今後は、こども政策の司令塔であるこども家庭庁等と連携しつつ、今すぐできる取組みから直ちに実行する。また、こども家庭庁の参画も得ながら、文部科学大臣を本部長とする「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部」を文部科学省に設置し、進捗状況を管理しつつ取組みの改善を続けていくとしている。

《畑山望》

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