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教職員8割以上に多忙感、学級担任や部活と相関…千葉県

 千葉県教育委員会は2023年3月8日、2022年度教職員の働き方改革に係る意識等調査の結果を公表した。業務に「多忙感」を感じている教職員の割合は、前年度同月より3ポイント増の83%。学級担任や部活動の主顧問といった校務分掌は、多忙感と大きな相関がみられた。

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業務に多忙感を感じている教職員の割合
  • 業務に多忙感を感じている教職員の割合
  • 子供と向き合う時間が確保できている教職員の割合
  • 勤務時間を意識している教職員の割合
  • 多忙感を感じている教諭等の割合と時間外在校等時間の関係
  • 学級担任や部活動顧問と、時間外在校等時間の関係
  • 教員等の出退勤時刻実態調査結果の概要

 千葉県教育委員会は2023年3月8日、2022年度教職員の働き方改革に係る意識等調査の結果を公表した。業務に「多忙感」を感じている教職員の割合は、前年度同月より3ポイント増の83%。学級担任や部活動の主顧問といった校務分掌は、多忙感と大きな相関がみられた。

 教職員の働き方改革に係る意識等調査は、2018年に調査を開始し、今回が7回目。2022年12月現在の状況について、県内の公立小学校35校、中学校15校、高等学校15校、特別支援学校5校を抽出し、計70校で実施した。調査対象者は、校長、副校長、教頭、主幹教諭、教諭、養護教諭、栄養教諭、実習助手、講師。有効回答数は1,890人。

 休み時間や放課後等に子供たちと補習したり、遊んだり、相談にのったりする「子供と向き合う時間」について、「確保できている」と肯定的に回答した割合は前年度と同じ64%。「勤務時間を意識して勤務できている」と回答した割合は、前年度比3ポイント減の76%。一方、千葉県が「学校における働き方改革推進プラン」で定めた2022年度の数値目標は、「子供と向き合う時間を確保できている割合」90%、「勤務時間を意識して勤務できている割合」100%。いずれも数値目標には達していないが、時間外在校等時間は減少傾向にあった。

 業務に「多忙感」を感じている教職員の割合は83%。前年度同月より3ポイント増加した。多忙感を感じていると回答した教職員の割合については、時間外在校等時間が「45時間以下」で約78%、「45~80時間以下」で約90%、「80時間超」で約93%と、相関がみられた。

 学級担任や部活動顧問と時間外在校等時間の関係をみると、学級と部活動の両方で主担当をしている場合、約60%が時間外在校等時間45時間を超え、約14%が80時間を超えた。部活動の主顧問と学級担任のどちらかを担当している場合は、担当していない場合に比べて多忙感を感じている割合が高く、部活動の指導技術と多忙感(負担感)にも相関がみられた。

 千葉県教育委員会では「調査・報告による負担と、人材の確保について、部活動の負担が各校種ともに業務改善には必要であると感じている職員が多い」としている。

 一方、2022年11月に実施した2022年度第2回「教員等の出退勤時刻実態調査」の結果によると、月あたりの時間外在校等時間が45時間を超える教諭等の割合は、全校種平均42.4%(前年同月45.7%)。校種別では、中学校58.9%、義務教育学校56.3%、小学校47.0%、高等学校29.3%、特別支援学校10.1%。

 月あたりの時間外在校等時間は、全校種平均43時間33分(同45時間22分)。校種別では、中学校55時間39分、義務教育学校49時間14分、小学校44時間5分、高等学校36時間43分、特別支援学校26時間19分であった。

 また、2022年11月実施の「学校における働き方改革推進プラン取組状況調査」では、同プランで数値目標を設定した項目のうち、「校務の効率化のためのICTの活用(72%)」「優れた取組を管下の学校または職員に紹介(68%)」等で取組み状況が向上し、目標を達成した。「業務改善に関し、PDCAサイクルの構築(23%)」「研修会等の精選・改善、オンライン化を図る(25%)」等は達成率が低く、目標を達成しなかった。

《奥山直美》

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